そもそもセルライトって何?
セルライトは、体内のコラーゲン繊維が脂肪細胞と水分、老廃物などに絡みつき、脂肪細胞が肥大化して固まったものとされています。
皮膚に近い皮下脂肪が肥大化したときには、ボコボコとしていて目で見ても分かります。
普通の脂肪とは異なり、頑固でなかなか減らない存在であり、太っている人にも痩せている人にも見られるという特徴を持っています。
このことから、海外では肥満とは別のトラブルとして扱われます。
セルライトはお尻や太もも、二の腕、お腹回りなどで見かけるケースが多いです。
セルライトが生まれる原因は?
セルライトが生まれる代表的な原因として、以下のものが考えられます。
それぞれご紹介しましょう。
加齢
加齢で体力が落ちることで、セルライトの発生につながります。
体力が落ちると、体を動かすのが面倒になって運動する機会が減るほか、若いころに比べて筋力が落ちて運動量も少なくなりやすいことから、コラーゲン繊維や脂肪細胞もあまり動かず固まっていく傾向にあります。
運動不足
加齢だけでなく、生活習慣の中で運動不足の人も、セルライトが生まれやすい傾向にあります。
普段から運動していないと、コラーゲン繊維が周りの脂肪細胞などを集めたまま、ほぐれていかないので、固まってセルライトが形成されやすくなります。
また、筋力が落ちて血液を送り出すポンプ機能も低下する可能性もあります。
暴飲暴食
バランス良く食事を摂っていないことで、脂肪細胞が大きくなってセルライトができやすくなったり、目立ちやすくなったりします。
また、肥満にもつながるので、スタイルが気になるのであれば暴飲暴食は避けるべきでしょう。
循環不良
血液やリンパ液の循環が悪くなると、全身の余分な水分や老廃物が上手く回収されず、コラーゲン繊維の近くで溜まることがあります。
それらをコラーゲン繊維が包んで固まることも、セルライトが形成される原因のひとつです。
セルライトができると…
セルライトができた場合にどんなトラブルにつながるのでしょうか。
ここからは、セルライトが引き起こすとされるトラブルをいくつかご紹介します。
むくみ
硬くなったセルライトの周囲では、水分や老廃物が上手く回収されずにむくむ可能性があります。
溜まった水分や老廃物を回収するリンパ液が上手く循環できなくなることが大きな原因のひとつです。
冷え性
セルライトが固まって周りの血管を圧迫すると、血液は上手く循環できなくなることがあります。
血液は、筋肉がエネルギーを生み出すために必要な栄養を送る重要な役割を果たしているので、血液が上手く循環できなくなると冷え性になりやすくなります。
特に指先などの末端や、下半身で起こりやすいです。
痩せにくい体に
血液やリンパ液が上手く循環しなくなることで、なかなか痩せられない体になっていくのもセルライトによるトラブルのひとつです。
痩せるためには消費カロリーが摂取カロリーを上回らなければならず、消費カロリーを増やすには筋肉がパフォーマンスを発揮することが大切です。
しかし、セルライトが血液やリンパ液の循環を滞らせると、筋肉に上手く栄養が届かず、パフォーマンスを十分に発揮できなくなり、痩せにくい体へとつながっていきます。
筋膜リリースでセルライト撃退へ
現在では、セルライトを撃退するために、食生活の改善や筋トレのように自分でできるものから、脂肪吸引やレーザーなど専門の施設で施術を受けるものまで、さまざまな方法が生まれています。
そんな中で今回ご紹介するのが筋膜リリースです。
筋膜リリースは本来、その名の通り筋膜をほぐす方法ですが、その中で、フォームローラーで体の表層をもみほぐすというものがあります。
この方法であれば、表面に現れたセルライトを直接ほぐすことができるため、セルライト対策としても期待されています。
ほぐしたい場所に合わせて、自分でできる筋膜リリースの方法をお伝えしていきます。
便利アイテム「フォームローラー」
フォームローラーとは、筋膜リリース用に作られている円柱形のローラーです。
表面に凹凸がある適度な硬さのローラーを、体に押し付けながら転がすことで、筋膜リリースを効率よく行える優れもの。
お値段はネット通販や量販店で千円台のものから、追加機能が付いて数万円位するものまでさまざまです。
今回ご紹介する筋膜リリースは、すべてこのフォームローラーを使用した方法です。
お腹への筋膜リリース
①床にうつ伏せに寝転がり、お尻を浮かせてお腹の下にフォームローラーを差し込みます。
②両ひじとつま先で体を支え、ひじを曲げ伸ばして前後に体重移動します。
痛みが強い場合は、つま先ではなくひざで体を支えましょう。
4~5往復が目安です。
③左ひじを上げて横を向き、右の脇腹をほぐしましょう。
同様に右ひじを上げて左の脇腹もほぐしていきましょう。
ふくらはぎへの筋膜リリース
①床の上に足を伸ばして座ります。
②フォームローラーの上に左のふくらはぎを乗せます。
③さらに、右足を左足の上に乗せます。
右のふくらはぎとフォームローラーで、左のふくらはぎを挟むイメージです。
④両手を後ろにつき、腰を浮かせます。
⑤ふくらはぎの下でローラーを転がすように、前後に体重移動しましょう。
※痛みが強いときは、腰を浮かせるのではなく、左足に体重をかけながら、ひざの曲げ伸ばしを行うことで強さを調整できます。
4往復ほど行います。
左足がほぐし終わったら、右足も同様にほぐしましょう。
太ももへの筋膜リリース
①うつ伏せに寝そべり、左足を横向きに広げてひざを曲げます。
②左半身を少し浮かせてフォームローラーを差し込み、その上に左太ももの内側を乗せます。
③太ももの内側に沿ってフォームローラーを左右に転がします。
しっかりと体重をかけ、4往復します。
④左向きに寝て左ひじを立てます。
そこから、右足を前に出して足の裏を床につきます。
⑤左ひじ、伸ばした状態の左足、右足の3カ所で体を支え、左の太ももの下にフォームローラーを差し込みます。
⑥上下に体重移動して、左の太ももの外側をほぐしていきます。
4往復ほど行いましょう。
⑦そのままの状態で、左ひざをゆっくり曲げ伸ばします。
ひざを曲げることで、太ももの外側も伸びていくので、4回ほど行いましょう。
左側が終わったら、右側も同様に行います。
お尻への筋膜リリース
①左向きに寝転がり、左ひじを立たせます。
そして右ひざを曲げ、右足を左ひざの後ろの床につきます。
床についている左ひじ、左足、右足の3カ所で体を支えます。
②そのまま、フォームローラーの上に左のお尻を乗せます。
③上下に体重移動を4往復行います。
お尻の筋膜を縦方向にほぐしていきます。
④次に、フォームローラーの上に乗ったまま体をお腹側や背中側に倒します。
お尻の左前側から後ろ側にかけて、筋膜を横方向にほぐしましょう。
左側が終わったら、右側も同様に行います。
おわりに
セルライトは一朝一夕でなくなるようなものではありません。
今回ご紹介した撃退法で、一時的に目立たなくなったとしても、体の奥ではほぐし切れていないセルライトが潜んでいて、少し時間が経ったらまた現れる可能性もあります。
そのため、筋膜リリースなども取り入れながら日々の生活から見直し、スタイルが崩れて見える原因のひとつであるセルライト対策をしていきましょう。