からだの悩み

【腰痛?】股関節を筋膜リリースでケアしよう【血行不良?】

階段の上り下りや、ひざを曲げてしゃがむのがつらいことはありませんか?
また、原因の分からない腰痛に悩んではいませんか?

そんな人は、股関節が硬くなっているかもしれません。
今回は、股関節が硬くなった場合にどんなことが起こるのか、その対策として活用できる筋膜リリースについてご紹介します。

【腰痛?】股関節を筋膜リリースでケアしよう【血行不良?】

股関節はどんな部位?

股関節は上半身と下半身をつなぎ、体を支えたり運動したりするために、なくてはならない重要な部位です。

股関節の周りでは、さまざまな筋肉が関わっています。
屈筋(くっきん)や伸筋(しんきん)のように、体の曲げ伸ばしに使われる筋肉や、内転筋(ないてんきん)や外転筋(がいてんきん)のように、体をねじる動きに使われる筋肉など、それぞれの筋肉がバランスよく力をかけ合うことで、上半身を支えたり、脚や腰を動かしたりしています。

何らかの原因で、股関節周辺のいずれかの筋肉がうまく働かなくなると、力のバランスが崩れて股関節が硬くなることがあります。

股関節が硬いとどうなる?

股関節が硬いとき、どんなことが起きるのでしょうか。
いくつかご紹介します。

可動域が狭くなる

股関節が硬いと、可動域が狭くなって、脚を十分に動かせなくなることがあります。
股関節の可動域が狭くなると、その分腰やひざを使って体を動かすことが多くなるので、腰やひざへの負担が増え、腰痛やひざの痛みにつながりやすくなります。

また、可動域が狭くなった状態で無理に体を動かそうとして、股関節に痛みを抱えるケースもあります。

ポンプ機能が低下して血行不良に

血液を送り出すポンプと言えば心臓ですが、全身の筋肉も心臓と同様、収縮することで血液を送り出すポンプ機能を備えています。

下半身においては、例えばふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれるほど強力なポンプ機能を持っていますが、股関節が硬くなると、それらの筋肉が収縮しづらくなってポンプ機能が低下することがあります。
ポンプ機能が低下することで、血液の流れが滞り、血行不良につながっていきます。
血行不良については、例に出したふくらはぎに関する記事で詳しくご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。

【関連記事:スポーツにも大切な「ふくらはぎ」の筋膜をリリースしよう】

姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛などにつながる

股関節が硬くなると、股関節をかばって姿勢が悪くなることがあります。

姿勢が悪くなると、体の重心が偏ってバランスが崩れやすくなります。
すると、無意識にバランスをとろうとして、肩や腰の筋肉に普段より大きな負荷がかかります。

負荷がかかり続けた筋肉はこわばって緊張し、さらに疲れも溜まって、それらが限界に達したときに、肩こりや腰痛などの症状となって現れることがあります。

脚のゆがみから、尿漏れやO脚などにつながる

股関節が硬いと、脚をスムーズに動かすのが難しくなり、脚の形が次第にゆがんでいくことがあります。
脚の形がいびつになると、尿漏れやO脚などの原因になります。

筋膜リリースとは?

さて、ここまでご紹介した股関節のトラブルや不調などに対し、さまざまな対処法が存在します。
そのひとつが筋膜リリースです。

筋膜リリースとは、筋膜を軟らかくほぐす方法のこと。

そもそも、筋肉は筋膜という組織に包まれています。
筋膜は、コラーゲンやエラスチンといったタンパク質と水分でできており、本来であればみずみずしく軟らかい組織です。

しかし、長時間同じ姿勢で過ごしたり強い衝撃を受けたりすると、筋膜はみずみずしさを失い硬くなっていきます。
これを筋膜の癒着と言います。

股関節に関わる筋膜が癒着すると、筋膜の近くにある筋肉が緊張して、機能が低下することがあります。
その結果、股関節を支える筋肉同士のバランスが崩れやすくなり、股関節が硬くなって、最終的には上でご紹介したさまざまな不調へとつながっていきます。

だからこそ、股関節周辺の筋肉を包む筋膜をほぐして、トラブルへの対策をしましょう。

筋膜リリースの注意点

筋膜リリースをするときは、やり過ぎに注意しましょう。
筋膜リリースはやり過ぎると、揉み返しなどの思わぬケガにつながる可能性があります。

主な原因として、強い圧をかけて筋膜リリースをすれば、より大きな効果を得られると考え、やり過ぎてしまうことが挙げられます。

以前の記事で、筋膜リリースをやり過ぎてしまうとどうなるのかについてご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。

【関連記事:やりすぎ注意!筋膜リリースは「どのくらい」やればいいの?】

【関連記事:施術後に痛い?だるい?「揉み返し」と「好転反応」とは】

股関節周辺の筋膜リリース

ここからは、股関節の硬さに関係する筋膜をほぐす方法についてお伝えします。
まずは、筋膜リリースを行うためのおすすめアイテムをご紹介します。

筋膜リリースをするのに便利な道具「フォームローラー」とは

 

 

フォームローラーとは、筋膜リリースを効率よく行うためのアイテムで、表面に凹凸の付いた円柱状のローラーです。
体の表面に沿わせて、押し付けながら転がすことによって、ローラーを当てた場所にある筋膜をほぐしていきます。

比較的安価なものは千円台で購入できるほか、一万円程度の高級機では振動機能などが搭載されているものもあります。

また、フォームローラーは大きさや材質によって体に加わる圧が異なるので、自分の体質や目的に合ったものを使用すると良いでしょう。

筋膜リリースをするのに役立つ「フォームローラー」の選び方とは?

【関連記事:ローラーを使った「筋膜リリース」!】

続いて、体の部位ごとに、筋膜リリースの手順についてご紹介します。

お尻の筋肉(中臀筋・小臀筋)

お尻の筋肉には、中臀筋(ちゅうでんきん)や小臀筋(しょうでんきん)と呼ばれる、股関節の動きをつかさどるものがあります。

手順
①左向きに寝て、左ひじを立たせます。
左ひじと左足で体を支える感じです。
難しければ右ひざを曲げ、右足を後ろについて支えてもOKです。

②左のお尻の下にフォームローラーを差し込みます。

③上下に体重移動を4往復行います。
お尻の筋膜を縦方向にほぐしていきます。

④体重移動が終わったら、体を前後に倒して、お尻の筋膜を横方向にほぐしましょう。

左側が終わったら、右側も同様に行います。

 

お尻の筋肉は、主に脚を後ろから引っ張って、歩いたりしゃがんだりする際に体のバランスが崩れるのを防ぐ役割をしています。
そのため、お尻の筋肉がうまく機能しなくなると、体のバランスが崩れて転びやすくなるほか、歩いたりしゃがんだりしづらくなる可能性があります。

お尻の筋膜を軟らかくほぐして、お尻の筋肉が十分に機能するよう整えましょう。

ももの筋肉・靭帯(内転筋・腸脛靭帯)

太ももには内転筋(ないてんきん)や腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)などがあり、脚を閉じるときに力を発揮します。

手順
①うつぶせになり、左脚を横に出して左ひざを曲げます。

②フォームローラーの上に左の太ももの内側をのせましょう。

③太ももの内側に沿ってフォームローラーを左右に転がします。
しっかりと体重をかけ、4往復します。

④続いて、お尻の筋膜と同じように、左向きに寝て左ひじを立てます。
そこから、右脚を前に出して足の裏を地面につきます。

⑤左ひじ、伸ばした状態の左足、右足の3カ所で体を支え、左の太ももの下にフォームローラーを差し込みます。

⑥上下に体重移動して、左の太ももの外側をほぐしていきます。
4往復ほど行いましょう。

⑦そのままの状態で、伸ばした左脚をゆっくり曲げたり伸ばしたりを繰り返します。
ひざを曲げることで、太ももの外側も伸びていくので、4回ほど行いましょう。

左側が終わったら、右側も同様に行います。

 

内転筋には股関節を内側に閉じる役割が、腸脛靭帯には歩いたり走ったりするときに左右にぶれないよう安定させる役割があります。
どちらも、股関節を安定させて負荷を最小限に抑える役割を持っています。

内転筋が硬くなると周りの筋肉も一緒に緊張して、股関節を十分に支えられなくなったり、脚の動きに影響したり、むくみにつながったりすることがあります。
また、腸脛靭帯が硬くなると、太ももの外側に痛みが出ることもあります。

そのため、太ももの筋肉をしっかりとほぐして、太ももから股関節にかかる負担が大きくならないようにしましょう。

腰の前側の筋肉(腸腰筋)

腸腰筋(ちょうようきん)は背骨と骨盤、ももの内側につながる筋肉で、「大腰筋(だいようきん)」と「腸骨筋(ちょうこつきん)」の2つの筋肉によってできています。
おへその斜め下から脚の付け根あたり、体の深い場所にあり、インナーマッスルとも呼ばれています。

ちなみに、上半身と下半身の両方につながっている唯一の筋肉でもあります。

手順
①うつぶせになり、両ひじをつきます。

②フォームローラーを左脚の付け根、骨盤のあたりに差し込みます。

③体を床と平行にピンと伸ばすよう意識しながら、左右に体重移動します。
4往復ほど行いましょう。

④そのままの状態で、左ひざを曲げていきます。
骨盤の辺りの筋肉が伸びるのを感じながら、4回ほど曲げ伸ばしを行います。

 

腸腰筋は上半身と下半身をつなぐ筋肉であり、上半身を支える重要な筋肉のひとつです。
腸腰筋の機能が低下すると、姿勢が悪くなったり、下半身に十分な血液が届きにくくなったりするなど、さまざまなトラブルにつながるので、腸腰筋が機能を発揮できるよう、筋膜リリースで腸腰筋の筋膜をほぐしましょう。

おわりに

今回は、股関節の不調が体のさまざまなトラブルを引き起こす可能性があることや、その対策のひとつとして筋膜リリースがあることをご紹介しました。

腰痛やひざの痛み、血行不良などのトラブルにつながらないように、股関節の筋膜をしっかりとほぐして、股関節に関わる全ての筋肉が、機能を十分に発揮できるようにしましょう。

整骨院は、ねんざなどの
ケガをしたときに行くところだと思っていませんか?

スポーツのコンディショニング調整をしたり、正しい姿勢をつくったり、あなたオリジナルのインソールを作ってくれる整骨院もありますよ。

PAGEのTOPに戻る