筋膜について

トレーニング前の筋膜リリースがおすすめな理由とは?

トレーニング前の準備運動はとても大切。
しっかりと準備運動をしておかないと、ケガをしやすくなったりトレーニングの効果がうまく発揮されなかったりします。
トレーニングの内容に合わせて、さまざまな準備運動が考案されています。

そんな中で、実は近年、筋膜リリースがトレーニング前の準備運動として効果的だと言われ始めています。
最近では、世界中で活躍するアスリートやモデルの中にも、筋膜リリースで準備運動をした上でトレーニングやボディケアを行う人が増えています。
そこで今回は、トレーニング前の筋膜リリースをおすすめする理由と、その方法についてご紹介します。

トレーニング前の筋膜リリースがおすすめな理由とは?

最近注目の筋膜リリースって何?

筋膜リリースは、硬い筋膜を軟らかくほぐすためのケア全般を指す言葉です。
ストレッチやマッサージに取り入れたり、専用の機械で施術したりと、一口に「筋膜リリース」と言っても、その方法はさまざまです。

筋膜とは、全身を包んでいる膜のことです。
主に2種類のたんぱく質と水分でできており、簡単には引きちぎれない頑丈さとゴムのように伸びる性質を持っています。
ストッキングやセーターなど、伸びる素材でできた衣類をイメージすると分かりやすいかもしれません。

筋膜は、全身を包んでいるだけでなく、一つひとつの筋肉や内臓、血管、神経などを包みこんでおり、体を動かすときに組織同士がこすれて傷つかないように保護しています。


そんな筋膜ですが、長時間同じ姿勢で過ごしたり、強い負荷がかかったりしたときに硬くなるという特徴があります。

先程、筋膜をセーターに例えましたが、筋膜が硬くなるということは、セーターの生地が軟らかい綿から、硬いデニムに変わるようなものです。
硬くなった筋膜によって動きが制限されるので、トレーニングの動きも鈍くなりやすく、効果もうまく発揮できなくなるかもしれません。

そこで登場するのが筋膜リリースです。
筋膜リリースで硬くなった筋膜を軟らかくほぐしたり、筋膜が柔らかい状態を保ったりすることで、トレーニングの効率アップを図りましょう。
ここからは、筋膜リリースをすることでどのような効果が期待できるのかについてご紹介します。

筋膜リリースをするとどんな効果が期待できるの?

筋膜リリースには、具体的にどんな効果があるのでしょうか。

筋肉の緊張をゆるめる

上述のように、筋膜は一つひとつの筋肉や神経などを包んでいます。
そのため、筋膜が硬くなると、近くの筋肉や神経を圧迫することがあります。

すると、硬くなった筋膜の周りでは筋肉が緊張します。
筋肉は緊張してこわばることでパフォーマンスの低下や体の不調につながると言われています。

筋膜リリースで筋膜をほぐしていくことで、緊張の原因となる筋膜からの圧迫を減らすように働きかけます。

血液やリンパ液の流れをスムーズに

硬くなった筋膜は、筋肉や神経以外にも、血管やリンパ管を圧迫して、血液やリンパ液の流れを妨げることがあります。
血液やリンパ液の流れが悪いと、血行不良やむくみなどにつながりやすいと言われています。

筋膜リリースで筋膜をほぐすことで、血液やリンパ液がスムーズに流れるように促します。

関節可動域を広げる

筋膜リリースを行い、関節の周りにある筋膜をほぐすことで、関節の可動域を広げることにもつながります。
実は、硬くなった筋膜は、関節の動きを妨げることがあります。

例えば、脇の下の筋膜が硬くなった場合にはどうなるのでしょうか。
着ている服の左脇の部分を右手で掴んで、しっかりと固定した状態で左手を上に持ち上げてみてください。
途中で服が引っかかると思います。

このとき、「右手で掴まれた服の」部分こそが硬くなった筋膜です。
掴んでいた右手を放せば、左手はスムーズに上に持ち上がります。

このように、硬くなった筋膜は関節の可動域を狭めることがあるため、筋膜リリースでほぐすことで、関節の可動域が広がる可能性が生まれます。

トレーニングにおすすめな理由は?

ここまででご紹介してきた筋膜リリースが、トレーニングにどんな影響を与えるのかを見ていきましょう。

運動後の疲れが取れやすくなる

筋膜リリースによって血液やリンパ液の循環をスムーズにしておくことで、運動後の疲れが素早く取れると言われています。

トレーニングを行った後は、運動によって筋肉がエネルギーを消費していたり、疲れを感じさせる「疲労物質」が生まれたりするので、体が疲れていきます。
疲れを素早く取るには、筋肉にいち早く栄養を送り届け、疲労物質を取り除くことが大切です。

その役割を果たすのが、血液とリンパ液です。
血液は栄養を送り届け、リンパ液は疲労物質などの老廃物を回収する役割があるので、筋膜リリースで血液やリンパ液がスムーズに流れるように促すことで、運動後の疲れがとりやすくなると考えられています。

トレーニングの効率アップにもつながる

筋膜リリースで筋膜をほぐし、筋肉の緊張を解きほぐすことで、筋肉が本来に近いパフォーマンスを発揮できるようになります。
また、筋膜リリースで関節の可動域が広がることも、トレーニングの際のパフォーマンスアップにつながります。

筋肉が発揮できるパフォーマンスが上がれば、トレーニングの効率もアップするため、筋膜リリースで筋肉や関節が十分なパフォーマンスを発揮できるように働きかけるのが大切です。

ケガの防止にもつながる

トレーニング時にケガをする原因のひとつに、筋肉の限界以上の負荷でトレーニングを行うことがあります。

筋肉は緊張してこわばると、発揮できるパフォーマンスが落ちて同じトレーニングでも大きな負荷を感じるようになります。
そのため、硬くなった筋膜の刺激を受け続けて緊張した筋肉は、普段と同じトレーニングをした場合でも傷つきやすく、ケガもしやすくなると言われています。

筋膜リリースで筋膜をほぐし、筋肉の緊張の原因を取り除くことで、ケガの防止につながると考えられます。

筋膜リリースは誰でもすぐにできる?

筋膜リリースにはさまざまな方法がありますが、その中でもストレッチによる筋膜リリースは、道具もほとんど必要なく、誰でも簡単に行うことができるのでおすすめです。

ストレッチによる筋膜リリースの特徴

ストレッチによる筋膜リリースでは、筋膜をさまざまな方向へ引っ張って伸ばすことにより、軟らかくほぐしていきます。
一般的なストレッチと異なり筋膜を伸ばすことを目的としているため、直接筋肉をほぐすためのストレッチも並行して行うと良いでしょう。

こちらの記事で、ストレッチによる筋膜リリースの方法を詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください!

【関連記事:ストレッチで「3つの筋膜」を伸ばして理想のボディを目指そう!】

もっと効果的な筋膜リリースを行うために

筋膜リリースをもっと効率よく行うために便利なアイテムが「フォームローラー」です。
表面が凸凹した樹脂製のローラーであり、家電量販店などに行けば数千円ほどで購入できます。
また、フォームローラーは身近にあるものを使って自作することも可能です。

フォームローラーを使った筋膜リリースの特徴

フォームローラーを使った筋膜リリースでは、自分の体と壁や床などの間にローラーを挟み、体重をかけながら転がすことで、ローラーの当たる場所の筋膜を揉みほぐしていきます。
手の届かないところや、ストレッチで伸ばしにくい所の筋膜にもアプローチできるので、より簡単に、効率良く筋膜リリースできるようになります。

フォームローラーを使った筋膜リリースの方法は、こちらの記事でまとめていますので、ぜひご覧ください!

【関連記事:ローラーを使った筋膜リリース】

筋膜リリースを行う際に注意すること

トレーニング前に筋膜リリースを行う際、注意すべきことがあります。
それは「やり過ぎないこと」です。
筋膜リリースは、大きな効果を出そうとして、つい負荷をかけすぎる傾向にあります。
そのため、気付いたら筋膜リリースのやりすぎによるケガが起きていたということも。

代表的な例は、筋肉痛です。
筋膜リリースの際、必要以上の力で揉んだり伸ばしたりした結果、近くにある筋肉に余計な力が加わって傷つき、炎症を起こして筋肉痛になるというケースが多いです。

筋膜リリースは、適度な力・時間・回数で行うことを心がけましょう。
目安としては、「痛気持ちいい」位の感覚で、はじめは1カ所につき10~20秒程度で行い、慣れていくにしたがって1分半~2分程度に伸ばしていくと良いでしょう。

おわりに

今回は、トレーニングの前に筋膜リリースを行うとなぜ良いのかについてご紹介しました。

トレーニングで疲れをなるべく残さないようにしたり、ケガが起きないようにしたり、トレーニングの効率をアップさせたりと、事前に筋膜リリースをしておくことによって、トレーニングをさらに安全に、効果的に行えます。
ぜひ、ご自身のトレーニングの準備として、組み込んでみてはいかがでしょうか。

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