体の不調に筋膜が関係している?
体に起こる不調には、筋肉、骨、内臓、血管などのさまざまな組織が関わっています。
そのひとつが「筋膜」です。
筋膜って何?
筋膜は、筋肉や内臓、血管、神経などを包む膜状の組織です。
主に、柔軟に伸び縮みするコラーゲンと、頑丈なエラスチンという成分でできており、これらが何重にも折り重なって全身の組織を支えています。
このことから筋膜は「第二の骨格」と呼ばれることもあります。
筋膜が全身をボディスーツのように包みこむことで、体の組織がずれることなくに正しい場所に収まります。
また、それぞれの組織の間でクッションのように挟まっていることで、体を動かすときに組織同士がこすれて傷つかないようになっています。
多くの組織に関わっている筋膜は、それだけ他の組織に影響しやすく、筋膜が体調の変化に関係しているとも考えられています。
いろいろな不調につながる「筋膜の癒着」
筋膜は、長時間同じ姿勢で過ごしたり、ケガなどで大きな衝撃を受けたりすると、カサブタのように硬くなります。
これを筋膜の「癒着」と言い、癒着した筋膜は周りの組織を圧迫して違和感や不快感につながったり、体を動かすときに引っかかって邪魔したりします。
こうして発生した不快感や違和感、痛み、動きの制限などが、さまざまな不調の引き金になると言われています。
ここからは、筋膜が原因で起きると考えられている、体の不調についてご紹介します。
肩こりや首こりにつながる
肩こりや首こりは多くの人が抱える悩みのひとつです。
筋膜が癒着すると、次のような不調から、肩こりや首こりにつながると言われています。
・肩の筋肉を圧迫して緊張させ、肩から腕にかけて重だるい感じがする
・血管を圧迫して血液の流れを妨げ、慢性的な疲れや痛みを引き起こす老廃物を回収しにくくする
・神経を圧迫し、痛みや不快感を引き起こす
腰痛の原因のひとつにも
筋膜が癒着することで発生する違和感や不快感から、無意識に体をかばって姿勢が悪くなることがあります。
そうして背中や腰の筋肉に負荷がかかり続けたとき、腰痛を引き起こすことがあると言われています。
また、筋膜が腰の筋肉を圧迫し、筋肉が緊張し続けて疲れやすくなることも、腰痛につながる原因だと言われています。
体がむくむことも
むくみは、体の一カ所にたくさんの水分が溜まることで起きる不調で、体内の水分や老廃物を回収するリンパ液がうまく循環しないことで起きると言われています。
硬くなった筋膜がリンパ管を圧迫して、リンパ液の流れを邪魔するため、筋膜の癒着がむくみへとつながっていくと考えられています。
スポーツのパフォーマンス低下にも
硬くなった筋膜は、スポーツの際に体の動きを邪魔することもあります。
例えば、関節の可動域を制限してスムーズに動きづらくしたり、筋肉を緊張させ続けて筋力低下を引き起こしたりといったことが考えられます。
これら、筋膜由来で起きていると考えられる不調にアプローチする方法が筋膜はがしです。
「筋膜をはがす」ってどういうこと?
筋膜はがしと聞いて、どのようなものを想像するでしょうか。
筋膜はがしは別名「筋膜リリース」とも呼ばれる方法で、硬くなった筋膜を軟らかくほぐしていきます。
硬く癒着した状態から軟らかい状態に、筋膜をはがしていくことからその名前が付いたと言われており、筋膜と他の組織とをバリバリとはがすわけではありません。
筋膜をはがして不調の対策をしよう
筋膜はがしによって筋膜を軟らかくほぐすことで、ご紹介したようなさまざまな不調にアプローチしましょう。
ゆるっくでは、これまでにさまざまな不調に合わせた筋膜はがし(筋膜リリース)の方法をご紹介していますので、ご自身の悩みに合わせて参考にしてみてください。
肩こり・首こりにアプローチするための筋膜はがし
関連記事:なぜ肩はこるの?肩こりのメカニズムを知って対策を立てよう
腰痛にアプローチするための筋膜はがし
むくみにアプローチするための筋膜はがし
スポーツのパフォーマンスを整えるための筋膜はがし
関連記事:スポーツにも大切な「ふくらはぎ」の筋膜をリリースしよう
おわりに
今回は、体のさまざまな不調に筋膜が関わっているかもしれないことと、筋膜はがしで硬くなった筋膜にアプローチできることをお伝えしました。
筋膜がすべての不調と関わっているわけではありませんが、筋膜が原因のひとつと考えられている不調は今回ご紹介したものも含めてたくさんあります。
筋膜はがしで、少しでも悩みのない体づくりができるようにアプローチしましょう。