筋膜リリース総合情報サイト

筋膜は、体中をボディスーツのように包んだり、個々の筋肉や内臓などを包んだりしている膜のことです。

筋膜は、主にコラーゲンとエラスチンという2つの成分で構成されており、みずみずしくて伸縮性があります。
この性質により、筋肉と筋肉のあいだに筋膜が挟まることで、体を動かす際に筋肉同士がひっかかって動かなくなったり摩擦でこすれて痛くなったりしないようにできています。

筋膜は、長い期間体を動かさないと、みずみずしさを失って硬くなります。
これを筋膜の「癒着」と言います。

筋膜が癒着すると、周りの血管や神経、筋肉などを圧迫します。
それによって痛みや不快感が生まれたり、筋肉が緊張して体の動きが鈍くなったり、水分や老廃物が溜まってむくんだりすることにつながっていきます。

筋膜リリースは、硬い筋膜を柔らかくほぐすことによって、筋膜の癒着が原因とみられるさまざまな体の不調にアプローチします。
スポーツ時のコンディション調整や、日々の生活で起きる肩こりや腰痛対策、美容の大敵であるむくみやシワの対策などに働きかけます。

一口に筋膜リリースと言っても、その種類はひとつではありません。
ストレッチに取り入れたり、自分の手で揉みほぐしたり、フォームローラーやかっさプレートなどのアイテムを使ったり、専門家にほぐしてもらったりと、目的や部位によってさまざまな方法で筋膜リリースが行われます。

ここからは、代表的な筋膜リリースとその手順についてご紹介します。

某テレビ番組でも紹介されたため、「筋膜リリース＝ストレッチ」というイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
カサブタのように硬くなっている筋膜を、ストレッチで引き伸ばすイメージでほぐしていきます。

メリット

ストレッチによる筋膜リリースは道具を使わず、ちょっとした時間でできるので、誰でも手軽に行えることがメリットです。

具体的な筋膜リリースの例 腰痛対策！弓なりのポーズ

体の側面全体を伸ばすための筋膜リリースです。
特に腰痛への対策として行います。
※近くに机やバーなど、手を置くことができるものを用意すると、より安全に行えます。

①まずは左手を真上にピンと伸ばします。

②左足を右足の前でクロスします。
机やバーがあれば、右手を置いて体を支えられるようにしておきましょう。

③左手を右斜め上に伸ばすつもりで、ゆっくりと傾けていきます。
このとき、左手から左足までの体のラインが「弓なり」に伸びていくイメージで行うと良いでしょう。

④それ以上傾かなくなったところで、20秒ほどキープします。
左側が終わったら、右側も同様に行いましょう。

最近、芸能人やスポーツ選手が、凹凸のあるローラーを持ち歩いているのを見たことはないでしょうか。
あのローラー、実は筋膜リリース用の「フォームローラー」というアイテムで、近年注目を集めています。

フォームローラーとは

フォームローラーは、表面に凹凸のある樹脂製のローラーで、体に沿わせて転がすことで、皮膚の下にある筋膜を効果的に揉みほぐせるアイテムです。
安いものなら2千円前後で購入でき、トレーニングやボディメイキングに役立ちます。

メリット

ストレッチによる筋膜リリースと同様、筋膜リリースをしたい場所に当てて転がすだけなので、ほとんど場所をとらず、非常に手軽に行えることがメリットです。

具体的な筋膜リリースの例 超簡単！背中下部の筋膜リリース

非常に簡単に筋膜リリースができる方法をお伝えします。
主に、前傾姿勢になったときに腰が痛くなる人向けの筋膜リリースです。

①壁を背にして、腰のあたりにフォームローラーを差し込んで立ちます。

②ローラーに体重をかけながら屈伸を行い、ローラーが背中を上下するように動かしましょう。

③次に、床の上にローラーを置いて、その上に腰を乗せるように仰向けに寝そべります。
このとき両手はバンザイのように頭の上に伸ばしましょう。

④腰をゆっくりと左右に揺らします。
勢いをつける必要はないので、ゆっくりと、10秒ほど行いましょう。

具体的な筋膜リリースの例 むくみ対策！ふくらはぎの筋膜リリース

ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、下半身のスタイルやスポーツ時のパフォーマンスに大きな影響を与える部位です。
ふくらはぎに筋膜リリースを行って、ふくらはぎの動きを整えましょう。

①両足を伸ばした状態で座ります。

②フォームローラーを床の上において、左のふくらはぎをフォームローラーに乗せます。

③左足にクロスするように、右足を乗せます。

④両手を後ろの床について腰を浮かせます。このとき、両手と左のふくらはぎで体を支える形になっていればOK です。

⑤そのまま前後に重心移動して、フォームローラーの上で左のふくらはぎが前後に移動するようにします。
左側が終わったら右側も同様に行いましょう。

筋膜リリースは、自分で行う以外にも、誰かにやってもらう方法があります。
自分では物足りない、もっと専門的な筋膜リリースをしたい、という方は、こちらの方法を検討してみましょう。

手技

手技、つまり「素手による揉みほぐし」の方法です。
筋膜リリースが必要な場所に対して押す・揉む・引っ張るなどを行い、筋膜をほぐしていきます。
接骨院や整骨院、整体院などで受けることが可能です。

メディセル

メディセルとは、筋膜リリース専用に開発された、吸引ポンプの先端に小型のローラーが取り付けられている機械です。
吸引による筋膜リリースを行うことが特徴で、揉み返しのリスクが少ないやり方です。

メディセルは、接骨院や整骨院、整体院などのほかに、エステサロンやパーソナルトレーニングジムなどで導入しているところもあるので、興味がある方は探してみてはいかがでしょうか。

今回は、筋膜リリースの種類と、それぞれの手順についてご紹介しました。
体格や体質、時間、予算などによって「その人に合った筋膜リリースのやり方」は異なります。
自分に合った筋膜リリースのやり方を見つけて、体のパフォーマンスを向上させましょう。