ふくらはぎの筋膜が硬いとどうなる?
ふくらはぎは、心臓から送られてきた血液を上半身に送り返すポンプ機能を持っていることから、「第二の心臓」と呼ばれています。
ふくらはぎの筋膜が硬いと、筋膜の近くにある血管やリンパ管を圧迫して、ふくらはぎのポンプ機能が低下することがあります。
その結果、下半身の血液やリンパ液の流れが悪くなって足がむくんだり、足元、特にアキレス腱周りの痛みや不快感につながったりします。
また、ふくらはぎには「腓腹筋(ひふくきん)」と「ヒラメ筋」の2種類の筋肉があり、「足首の曲げ伸ばし=地面をける力」に大きく関わっています。
硬くなった筋膜がこれらの筋肉を圧迫すると、足首の曲げ伸ばしに使われる筋力が低下して、スムーズな歩行を妨げる可能性もあります。
ジャンプやステップ、ダッシュといった動作が必要なスポーツをしている人は、ふくらはぎの筋膜を酷使することが多く、ふくらはぎの筋膜が硬くなりやすい傾向にあります。
ジャンプなどの動作にも悪影響を及ぼしてプレー時のパフォーマンスも落ちる可能性があるので、スポーツの世界でもふくらはぎの筋膜のケアが重要です。
ふくらはぎに筋膜リリースをしよう
「歩く」ことに密接に関わっているふくらはぎの筋膜は、老若男女すべての人にとって非常に重要であり、ふくらはぎの筋膜が硬くなったときには筋膜リリースでしっかりとほぐすことをおすすめします。
特に、ここまでにご紹介した、下半身のむくみに悩んでいる人や、歩くときにアキレス腱のあたりが痛くなる人、スポーツなどで下半身を酷使しがちな人は、ふくらはぎの筋膜が硬くなっている可能性があるため、筋膜リリースで軟らかくほぐしましょう。
ふくらはぎの筋膜リリースの手順
ふくらはぎへの筋膜リリースを効率的に行うには、フォームローラーを使用することをおすすめします。
フォームローラーとは、筋膜リリース用に作られているローラーで、表面が凸凹していて、狙ったところへ効果的にアプローチします。
お店やネット通販などで簡単に手に入れられるほか、自宅にあるもので自作することもできます。
フォームローラー自作の方法
用意するもの
・大きめのタオル(バスタオル位のものでOK)
・雑誌
・ヘアゴムやビニールひも
①大きめのタオルを広げて、その上に雑誌を乗せます。
②雑誌が「芯」になるように、タオルをくるくると巻いていきます。
このとき、雑誌をキツく巻くかゆるく巻くかで自作するフォームローラーの硬さを調節できます。
③巻き終わったら、ヘアゴムやビニールひもなどで留めて完成です。
フォームローラーについて詳しくは以前の記事でご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。
手順
①安定した床に、足を伸ばして座ります。
②左足の下にフォームローラーを差し込んで、左のふくらはぎを乗せます。
③右足を、ちょうどフォームローラーの上で左足とクロスするように乗せます。
④少しだけ腰を浮かせ、後ろについた両手とローラーの上の左足で体を支えます。
⑤ふくらはぎの下でローラーを転がすように、前後に重心移動をしましょう。
※痛みが強いときは、腰を浮かせるのではなく、左足に体重をかけながら膝の曲げ伸ばしを行うことで強さを調整できます。
左足がほぐし終わったら、右足も同様にほぐしましょう。
筋膜リリースをするときの注意点
筋膜リリースを行うときは、あまり強い力をかけないようにすることをおすすめします。
というのも、筋膜リリースは、「強い力で行えば効果が高くなる」ものではありません。
「痛気持ちいい」程度の力で十分に筋膜をほぐせるので、痛みをこらえながら、無理に筋膜リリースをするのは避けましょう。
また、筋膜リリースはあくまで筋膜由来のトラブルにアプローチする方法です。
そのため、ふくらはぎで起きたトラブルをすべて解決するわけではありません。
おわりに
今回は、ふくらはぎの筋膜リリースの方法をご紹介しました。
第二の心臓と呼ばれ、下半身の動きを左右しているふくらはぎ。
ふくらはぎの筋膜をしっかりとほぐして下半身のパフォーマンスを整え、日々の生活やスポーツに活かしましょう。