筋膜リリースってなに?
なぜ、筋膜リリースが効果的だと噂されているのでしょうか。
それを知るためには、まず「筋膜リリースとはどういうものか」を知るところから始めると良いでしょう。
筋膜リリースはその名の通り、筋膜を柔らかくほぐす(リリースする)方法です。
筋膜が硬くなることによって起きるトラブルに対処して体調を整えることが目的です。
今回ご紹介するような痛みへのアプローチのほか、ダイエットやトレーニングの一環として筋膜リリースを行い、それらの効果を引き上げることにも活用されています。
筋膜とは
筋膜とは、体をボディスーツのように包んだり、筋肉や内臓一つひとつを包んだりしている、薄い膜状の組織のことです。
エラスチンやコラーゲンなどの成分でできており、高い伸縮性と頑丈さを兼ね備えています。
筋膜はどんな役割を果たしているの?
筋膜は、筋線維がバラバラになったり、臓器がおかしな場所に動いたりしないように支えています。
このことから、筋膜は「第2の骨格」とも呼ばれています。
また、筋肉同士の間に挟まって潤滑剤となる役割も持っており、運動をするときに筋肉のスムーズな動きを助けるようにもできています。
なぜ筋膜リリースが必要なの?
筋膜は本来みずみずしく、ある程度自由に伸び縮みする性質を持っています。
しかし、長時間同じ姿勢で過ごしたり、ケガなどで強い圧力を外から受けたりすると、筋膜はみずみずしさを失い硬くなっていきます。
硬くなった筋膜は周りの組織を圧迫し、痛みや不快感を生んだり、体の動きを妨げたりします。
そういったトラブルに対処するために、筋膜リリースで筋膜を軟らかくほぐしていくのです。
痛みの原因?トリガーポイントに筋膜リリース
ここまで、筋膜リリースで痛みや不快感へ対処することをお伝えしましたが、大切なのは痛みの原因となる場所に的確にアプローチすることです。
そんな痛みの原因となる場所が「トリガーポイント」です。
トリガーポイントってそもそも何?
トリガーポイントとは、痛みや不快感などを引き起こすトリガー(引き金)となる場所のことです。
トリガーポイントが引き起こす痛みは、トリガーポイントと同じ場所で起きることもあれば、全く別の場所で起きることもあります。
この痛みのことを関連痛と言います。
痛みが起きている場所を揉みほぐしたり湿布を貼ったりしても、痛みがおさまらないと感じるのは、関連痛がトリガーポイントと別の場所で起きているからかもしれません。
その場合、原因であるトリガーポイントにアプローチしないと、痛みは残ったままです。
トリガーポイントと筋膜リリースにはどんな関係があるの?
トリガーポイントに原因があるのではないかと疑われているトラブルは、肩こりや腰痛、むくみ、冷え性、四十肩、疲れなど慢性的なものが多く、
筋膜リリースがこれらのトラブルに対処できるのではないかと期待されています。
また、いわゆる東洋医学における「ツボ」の位置とトリガーポイントの位置はかなり近いものがあるため、医療機関や施術院などでは、鍼による施術と筋膜リリースを組み合わせているところもあります。
筋膜リリースはどんな方にオススメ?
お伝えしている通り、筋膜リリースはトリガーポイントで起きるさまざまなトラブルへの対処法として活用されています。
そのため、慢性的な肩こり・腰痛に悩まされている人や、肩が上がりにくくなっている人におすすめなほか、実はダイエットやスポーツ時のパフォーマンスを上げたい人にもおすすめです。
筋膜リリースを行う上での注意点
筋膜リリースを行う場合は、力加減に注意しましょう。
筋膜リリースはそこまで強い力を加えなくても、十分筋膜をほぐせます。
逆に、痛みを感じるほどの強さで筋膜リリースをしてもあまり意味はありません。
「痛いから効いている」と考える人がいますが、これは筋膜リリースが効いているのではなく、筋膜の下の筋肉が炎症を起こして痛んでいる可能性があります。
そのため、必要以上の力で筋膜リリースを行うのは避け、「痛気持ちいい」くらいの力で行いましょう。
また、ケガや骨折をしていたり、何らかの病気で運動を控えるよう言われていたりする場合は、自己流で筋膜リリースを行うのではなく、専門家の判断と指導のもと、許可された場合にのみ行うようにしましょう。
場所によっては自力で筋膜リリースできないことも
筋膜リリースは、ストレッチに組み込んだり、ローラーやボールを用いたりして自分で行うこともできますが、例えば背中にピンポイントでアプローチしたいなど、狙った場所に的確に筋膜リリースを行いたいときに、自力では難しい場合があります。
そんなときは、筋膜リリースによる専門的な施術を行っている治療院や施術院に相談してみましょう。
どこに相談すればいいかは、過去の記事でご紹介していますので、そちらをぜひ参考にしてください。
おわりに
今回は、痛みの原因となる場所「トリガーポイント」に的確なアプローチをするための筋膜リリースについてご紹介しました。
慢性的な悩み、すぐに再発してしまうトラブルは、トリガーポイントにあるかもしれません。
ときには専門家に相談しながら、トリガーポイントにしっかりとアプローチして、生き生きと過ごせるようにしましょう。