ゆるっく用語辞典

筋・筋膜性疼痛症候群とは

現代では、肩こりや腰痛などで悩む人がたくさんいます。
実は、こうした悩みの原因のひとつが、筋膜で起きるトラブルかもしれないことがわかってきました。
そのトラブルの名前は「筋・筋膜性疼痛症候群」。
今回は、筋・筋膜性疼痛症候群がどんなもので、どうやって対処すればいいのかのご紹介です。

筋・筋膜性疼痛症候群とは

筋・筋膜性疼痛症候群ってどんなもの?

筋・筋膜性疼痛症候群とは、筋肉や筋膜で何らかのトラブルが起きることで生まれる、痛みやこり(違和感)、しびれといった症状をまとめた言葉です。
慢性的な肩こりや腰痛のほか、顎関節症や緊張型頭痛などはこの筋・筋膜性疼痛症候群のひとつとも考えられています。
それらの症状については、個別に記事を書いていますので、そちらもぜひ。

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筋膜とは

人間の体には、筋肉や骨といったさまざまな組織を包んでいる筋膜があります。
筋膜は通常、伸縮性があるため、周りの筋肉や血管、リンパ管、神経などを優しく包み込み、筋肉のスムーズな動きを助けています。

しかし、筋膜は周りから強い圧力を受けたり、長時間同じ姿勢を続けたりすることでカサブタのように硬くなる「癒着」を起こします。
筋膜が癒着すると、血液やリンパ液の流れが滞ったり、筋肉を圧迫して緊張させたり、神経を圧迫してこりや不快感を生み出したりします。
筋・筋膜性疼痛症候群は、こうした筋膜の癒着と密接な関係があります。

筋・筋膜性疼痛症候群はどのようにして起きるのか、簡単にご紹介します。
急に重たいものを持ったり、無理な姿勢で長時間過ごしたりすると、筋肉や筋膜に大きな負荷がかかります。
その結果、筋肉に炎症が起きて筋肉痛になったり、筋膜で軽い癒着が起きてこりやしびれが生まれたりします。

筋肉や筋膜の状態が万全であれば、これらの痛みやこり、しびれは自然におさまっていきますが、おさまる間もなく負荷がかかり続けたり、癒着がひどかったりすると、これらの症状が慢性化して筋・筋膜性疼痛症候群へとつながると言われています。

筋・筋膜性疼痛症候群が起きたらどうなる?

お伝えした通り、筋・筋膜性疼痛症候群が起きると、体の一部に痛みやこり、しびれが生まれます。
”疼痛症候群”という名前にあるように、痛み方が何種類かあり、刺すような痛みを感じる人もいれば、焼け付くような痛みを感じる人、うずくような痛みを感じる人もいます。
さらに、ピンポイントで痛みが続くこともあれば、その場所を中心に痛みやしびれが広がることもあります。

筋・筋膜性疼痛症候群は、全身を包む筋肉や筋膜で発症します。
そのため、全身のどこの部位でも筋・筋膜性疼痛症候群が起きる可能性があります。
ただし、複数の部位で同時に起きることは少なく、肩や首、腰など特定の部位やその周辺で起きやすいと言われています。

また、筋・筋膜性疼痛症候群では、痛みやこり、しびれが起きている場所と、原因となる場所が異なることがあります。
例えば、ふくらはぎに痛みがあっても、原因はお尻の筋膜だったということもあります。

痛みが起きている場所ではなく、痛みの原因になっている場所のことを「トリガーポイント」と言い、トリガーポイントが痛みの場所と同じこともあれば、上の例のように違うこともあります。
トリガーポイントと痛みがある場所が違う場合、痛んでいる場所をどれだけ施術しても、原因が無くなっていないので、しばらくすると痛みが再発します。

そのため、痛みを根本から取り除くためには、トリガーポイントで起きているトラブルに対処することが大切です。
トリガーポイントについては、以前の記事で詳しくご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

【関連記事:トリガーポイントって何?】

筋・筋膜性疼痛症候群の対処法

筋・筋膜性疼痛症候群への対処として重要なのが、できるだけ早く症状に気付くことです。

実は、筋・筋膜性疼痛症候群は、発見するのが難しい症状のひとつです。
その理由は、筋・筋膜性疼痛症候群が別の症状と間違えられやすいことにあります。
有名なのが、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領の例です。

ケネディ大統領は慢性的な腰痛に悩まされており、長らく椎間板ヘルニアとされて治療を行っていました。
しかし一向に快方に向かう気配がなく、後年、主治医のひとりが筋・筋膜性疼痛症候群と診断し、施術を行ったところ、症状をかなりおさえられたという事例があります。

このように、筋・筋膜性疼痛症候群はなかなか気づきにくく、対処も遅れがちになります。
そこで、慢性的な肩こりや腰痛、そのほか体のどこかで痛みやしびれが続くときには、筋・筋膜性疼痛症候群の可能性を疑って、早めに専門家に相談することが大切です。

どこに相談すればいい?

筋・筋膜性疼痛症候群について相談するなら、整形外科やペインクリニックがおすすめです。

整形外科は筋肉や筋膜、骨で起こったトラブルの専門家であり、ペインクリニックは「痛み」に関すること全般の専門家です。
まずは整形外科やペインクリニックなどで診断を受けて、適切な治療を受けましょう。

…しかし、場合によっては、整形外科やペインクリニックなどでも原因が特定できない場合や、そもそも近くに整形外科やペインクリニックが無い場合もあるでしょう。

そんなときは、整骨院や接骨院、整体院などの中から「筋膜リリース」をうたっている院に相談してみましょう。

筋膜リリースとは

筋膜リリースとは、上述した筋膜の癒着が原因で起きる体の不調に対し、癒着を取り除くことでアプローチする施術のことです。
痛みが起きている部位やトリガーポイントとなっている部位に対して、手で揉みほぐしたり、超音波や電気、メディセルなどを用いて癒着を取り除いたりします。

筋膜リリースをうたっている施術院では、筋膜が原因とみられる症状に対してエコー検査などの専門的な検査をしているところもあり、筋・筋膜性疼痛症候群に対処してもらいやすいです。
痛みが続くようなら我慢せずに治療院や施術院に相談してみましょう。

【治療院・施術院を探す】

今回は筋・筋膜性疼痛症候群についてご紹介しました。
日常的に起こる肩こりや腰痛などの症状のほか、ときには焼け付くような痛みに襲われることもある筋・筋膜性疼痛症候群は、ささいな原因で起こることもあります。
悪化してからでは遅いので、少しでも痛みやこり、しびれが続くようなら、専門家に相談しましょう。

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