筋膜について

筋膜リリースのホントの意味、知っていますか?

「筋膜リリースって何?」という質問に、あなたは何と答えますか?
「ストレッチの一種でしょ」「筋膜はがしだよね」「なんかテニスボールでコロコロしてる…」「エステサロンとかでやってくれるって聞いた」などなど、いろいろな答えが返ってきます。

実はこれ、ちょっとイジワルな質問です。
なぜなら、「筋膜リリース」という言葉が示す範囲は非常に広く、ほとんどの回答に対して「その答えは不正解ではないけれど、正解というわけでもないよ」と言われます。

これは、一般的に知られている筋膜リリースについての情報の多くが、筋膜リリースの「一部分だけ」を表しているということや、ユーザーや発信媒体によって情報の内容がバラバラなことが原因です。

では、筋膜リリースとはいったい何なのでしょうか。

筋膜リリースのホントの意味、知っていますか?

筋膜リリースを語るうえで欠かせない「筋膜」と「癒着」

筋膜リリースは、「筋膜由来のさまざまなトラブルに対処するために、筋膜の癒着を取り除いていく施術方法」の総称です。
…聞きなれない言葉があったかと思います。

「筋膜の癒着」

実はこの言葉、筋膜リリースについて知るうえで非常に重要な意味を持っています。

そこでまず、筋膜リリースについてお伝えする前に、「筋膜」と「癒着」という2つの単語の意味からご紹介しましょう。

 

第二の骨格?「筋膜」とは

筋膜は、筋肉の表面を保護している膜状の組織…だけではありません。
筋肉の表面以外にも、筋肉の内側にある筋線維の1本1本や骨、内臓、脳のまわりにも張り巡らされています。

また、筋膜の中には、身体の表面にある皮膚(皮下組織)のすぐ内側に、まるでボディスーツのように張り巡らされているものもあります。
それらの組織がバラバラになってしまわないように、外側から筋膜が支えているため、別名「第二の骨格」とも呼ばれているのです。

【関連記事: 筋膜は1つじゃない!今さら聞けない「筋膜」とは】

 

筋膜で起こる代表的なトラブル「癒着」

筋膜には本来、高い伸縮性があり、身体をスムーズに動かせるようになっています。
しかし、筋膜は長時間同じ姿勢で過ごしたり、事故やケガでどこかに身体を強くぶつけたりすると、固くなってしまう性質も持っています。
この状態を筋膜の「癒着」といい、さまざまな不調を引き起こす原因になり得ます。

 

癒着によって何が起こる?

筋膜が癒着すると、どんな不調が引き起こされるのでしょうか。
代表的なものをいくつかご紹介します。

 

血行不良

筋膜には、血管やリンパ管のすぐ近くに張り巡らされているものもあります。
血管付近の筋膜が癒着すると、癒着によって固くなった筋膜が周囲の血管を圧迫し、血液の巡りを阻害します。
たとえ運動などで身体の血行を良くしようとしても、癒着した筋膜が血管を押さえつけている限り、なかなかうまくいかないことが多いです。
また、癒着によって血行が滞ると、筋肉に届くはずの栄養が十分に行き渡らず、筋肉の機能低下や緊張を引き起こしたりもします。

 

むくみ

血管とともに、筋膜の癒着によって圧迫されることが多いのがリンパ管です。
リンパ管は、筋肉や皮下組織に溜まった水分や老廃物を回収する「リンパ液」が流れている管です。
癒着によってリンパ管が圧迫されると、リンパ液がうまく循環せず、溜まった水分が回収されずにそのまま残ってしまい、むくんでしまうことがあります。

【関連記事:むくみってなぜ起こるの?どうすればいいの?】

 

肩こり

肩まわりの筋膜が癒着して、付近の筋肉の機能が低下したり、疲労物質や発痛物質などの老廃物が残ったままになっていると、肩には痛みや違和感、不快感が現れます。
これがいわゆる「肩こり」の状態。
肩こりによって新たに引き起こされる不調もあるので、早めの対処が望ましいです。

【関連記事:なぜ肩はこるの?肩こりのメカニズムを知って対策を立てよう】

 

腰痛

腰回りの筋膜が癒着すると、腰痛につながる可能性があると言われています。
腰痛の原因のうち、椎間板ヘルニアや骨粗しょう症などを除いた約85%は、病院で行われる検査でもなかなか原因が特定できず、原因不明と診断されます。

その中でも、比較的腰痛の可能性が高いものに、腰回りの筋肉の機能低下や緊張による神経の圧迫が考えられます。
筋肉の機能低下や緊張は、癒着が引き起こす症状にも当てはまることから、筋膜の癒着が、腰痛を引き起こしている原因のひとつだと言われています。

【関連記事:つらい腰痛の原因と対処法!】

こうしたトラブルや不調の対処のために、筋膜リリースが活用されるのです。

「筋膜」を「リリース」して癒着を取り除く

ここまで「筋膜」と「癒着」についてご紹介してきました。
いよいよここから、筋膜リリースについて詳しくお伝えします。

筋膜リリースは、筋膜の癒着を取り除くために行われる治療や施術の総称ということを、はじめにお伝えしました。
「総称」というだけあって、その方法は多岐にわたり、手技(手で揉んだり押したりする方法)やストレッチポールを使用して患部を直接揉みほぐす方法、メディセル筋膜療法(筋膜リリース専用の機械で吸引&マッサージをする方法)、剥離液の注入などがあります。
そして、用途や目的に合わせたさまざまな方法で、癒着した筋膜をほぐしていくのです。

そう、「ほぐす」。
医療機関で行われる剥離液の注入を除き、筋膜リリースのほとんどは、筋膜をほぐすことで癒着を取り除いていく方法です。
例えば、接骨院や整骨院では、肩こりや腰痛への施術や、関節可動域の制限へのアプローチとして、手技やメディセル筋膜療法による筋膜リリースを行います。
その他、トレーニングジムでは、選手のトレーニング後のコンディション調整や、適切なフォームを取り戻すために、手技やストレッチポールを用いた筋膜リリースが取り入れられています。
テレビなどで紹介されている、ストレッチや体操による筋膜リリースも、身体を伸ばすことで癒着した筋膜を引き伸ばし、癒着を取り除くために行われます。

また、最近では、筋膜リリースグッズなども市販されており、誰もが手軽に、自分自身の手で筋膜リリースを始めることができます。
しかし、筋膜リリースは正しい方法で行わないと、狙った効果が生まれにくいのも事実。
できれば、筋膜リリースの専門家がいるスポーツジムや接骨院、整骨院、整体などで相談すると良いでしょう。

 

いかがでしたか?
今回は、筋膜リリースの意味について詳しくご紹介しました。
いろいろな筋膜リリースの方法があるので、自分に合った方法で、筋膜リリースを取り入れ、健康的な生活を送りましょう。

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