膝が痛い…。
最近では膝の痛みは中高年やスポーツマン特有の悩みではなく、一般の若い人たちの中にも膝の痛みを訴える人が増えてきています。
多くの人の悩みのタネになっている膝の痛み…。
今回は、そんな膝の痛みの原因と対処法についてご紹介します。
膝の痛みはなぜ起こる?
そもそも、膝の痛みはなぜ起こるのでしょうか?
膝の痛みは、大きく分けて4つのトラブルが原因となって引き起こされています。
膝関節のトラブル
膝の痛みの原因として代表的なのが、膝関節のトラブルです。
人間の膝は、股関節から伸びる「大腿骨」の先端のボールのようになった部分が「半月板」という組織に載っており、それらを周囲の軟骨や靭帯が支えているため、身体のバランスを取ったり、スムーズに歩いたり走ることができます。
しかし、膝の軟骨や半月板がすり減ったり(変形性膝関節症)、周りを覆っている「滑液」などに炎症が起こる(関節リウマチ)などのトラブルが発生すると、強烈に膝が痛くなっていきます。
また、症状によっては膝関節の中に水が溜まって膝の動きが阻害され、最終的には歩くこともままならない状態になってしまいます。
靭帯のトラブル
激しいスポーツなどで膝に高い負荷がかかると、膝の靭帯が腫れたり、突然「ブチッ」という音とともに靭帯が切れてしまうことがあります。
靭帯が切れてしまうと、完治するまでにそれなりに長い期間を要するケースもあるため、スポーツをする人は、特に靭帯のトラブルに注意が必要です。
筋肉・筋膜のトラブル
膝の痛みの原因の中でも最近注目を集めているのが、膝関節周辺の筋肉や筋膜のトラブルです。
過去の記事で詳しくご紹介していますが、これまで筋肉や筋膜にトラブルが起こっていた場合に、レントゲンやCT、MRIで患部を特定することは、広範囲に炎症が広がっているケースを除くと非常に困難でした。
しかし近年、エコー検査の技術が進歩し、検査の精度が飛躍的に向上したことで、筋肉や筋膜で起きた狭い範囲のトラブルでも、患部の特定を容易に行えるようになりました。
結果、膝関節周辺の筋肉で炎症が起こっていたり、筋膜が癒着して膝関節の動きを阻害して、膝の痛みを引き起こす要因のひとつ(筋膜性疼痛症候群など)になることが判明しました。
【関連記事:CTやMRIで「異常なし」でも痛い! その原因、もしかしたら「筋膜」にあるかも】
病気
何らかの病気の影響で膝の痛みが引き起こされる場合もあります。
代表的なのは「痛風」です。
痛風では、尿酸という物質が関節内に溜まって固くなり、関節内で炎症を引き起こし、激しい痛みにつながります。
その他、「骨のがん」が原因なケースもあります。
これらのケースでは、そもそもの原因が膝関節にないので、痛み止めや湿布などの対処をしても効果がなかったり、一時しのぎにしかならずにすぐに新たな痛みを引き起こすため、根本的な治療が必要です。
膝の痛みに対処しよう
膝の痛みへの対処法は大きく3種類に分けられます。
順に見ていきましょう。
対処法その1 自力での対処
一時的に炎症が起こって痛みが出ているだけの場合、患部に湿布を当てたり、市販の痛み止めを飲んで安静にするなど、「炎症を素早く抑え、取り除く」方法で対処が可能です。
スポーツをしていて足をくじいたり、膝を机などに強くぶつけたりと、膝が痛み始める「きっかけ」がはっきりしている場合は炎症による痛みであるケースが多く、上記のように自力で対処できることがほとんどです。
対処法その2 治療院・施術院で相談する
膝が痛み始めるきっかけがなく慢性的に痛い場合や、自力で対処してもなかなか痛みが引かない場合は、近くの整形外科やペインクリニックなどの治療院、接骨院や整骨院、整体などの施術院で相談しましょう。
専門的な知識や経験のもと、痛みの原因に対処するためのアドバイスを行ったり、必要であれば手技や筋膜リリースなどの「膝を元の状態に近づけるための施術」や、薬の処方を行ってくれます。
まずは整形外科やペインクリニックで診断を受けることをおすすめします。
診断によって痛みの原因を特定したら、同じところで治療を受けるもよし、接骨院や整骨院、整体などで施術を受けるもよし、ご自身の状況によって決めると良いでしょう。
対処法その3 万が一の場合は手術を
治療院や施術院で相談した結果、「より細かな検査や場合によっては手術が必要だ」と判断されることもあります。
例えば、膝関節の軟骨があまりにもすり減っていた場合、関節内を洗浄して滑らかに動くようにしたり、人工の膝関節を移植するなどの手術が行われます。
別の病気や疾患が原因の場合、その病気や疾患の改善のために手術が必要になるケースもあります。
手術となると、入院や通院が必要なことも多いので、痛みの度合いとスケジュールや費用とを良く考えてから、整形外科やペインクリニックなどの治療院に相談すると良いでしょう。
さて、今回は膝の痛みの原因と対処法についてご紹介しました。
現在では、膝の痛みは万人に共通の悩みといっても過言ではありません。
しかし、膝の痛みへの適切な対処法は、その人々が抱えている症状や置かれている状況によって異なりますので、自分のスケジュールや予算、自宅周辺の治療院や施術院の有無などの条件を吟味して、自分にとって一番良い方法で対処しましょう。