普段の生活の中で、シャツを着たり、高い場所にあるものを取ったりといった何気ない動き。
それらの動作がつらくなるのが四十肩や五十肩です。
今回は、四十肩や五十肩が起こる原因と対処法をご紹介します。
四十肩や五十肩とは?
そもそも、「四十肩」や「五十肩」という病名は存在しません。
40代から50代に多くみられることからそう呼ばれていますが、正式には「肩関節周囲炎」という病名です。
正式名称からも分かる通り、何らかの原因で肩の関節に炎症が起こっているのが四十肩や五十肩です。
腕を上げようとしたときや後ろに動かそうとしたときに、肩から腕にかけて痛みが発生し、上着を着る、髪を結ぶ、物を高い所に持ち上げるといった動作が難しくなります。
四十肩や五十肩の原因とは?
四十肩や五十肩は、「加齢による筋力低下」と「肩の酷使」が主な原因とされています。
肩の関節は、さまざまな骨や筋肉がつながり支え合っている部位です。
しかし、加齢で肩の周りの筋力が弱ったり、肩を酷使するスポーツや仕事に就いていると、肩を支える筋肉に大きな負荷がかかります。
肩関節に大きな負荷がかかり続けると、肩の周辺の筋肉がだんだん硬くなり、日常的な動作でも炎症が引き起こされやすい状態になります。
この状態で身体の許容量を超えた負荷がかかった時に炎症が起こり、四十肩や五十肩の症状が現れるのです。
肩こりとは違うの?
四十肩や五十肩と肩こりは本質的に別物です。
以前の記事で詳しくご紹介していますが、肩こりは「肩や首のまわりの筋肉が緊張して起こる痛みや不快感、圧迫感」の総称です。
【関連記事:なぜ肩はこるの?肩こりのメカニズムを知って対策を立てよう】
しかし、四十肩も五十肩も肩で発生する症状なので、肩こりと混同されることがあります。
さらに、四十肩・五十肩と肩こりは併発することも多いため、よけいに混同しやすくなっています。
20代でも四十肩?
原因の項目でもご紹介しましたが、四十肩や五十肩が引き起こされるのは、加齢による筋力低下と肩の酷使です。
つまり、肩に強い負荷がかかり続ける仕事では、たとえ20代だとしても四十肩や五十肩と同様の症状が起きても不思議ではありません。
四十肩や五十肩の症状が起こると、日常生活や仕事に大きな支障が出る可能性が高いので、定期的な肩のケアを怠らないようにしましょう。
四十肩・五十肩の予防
四十肩や五十肩の予防のポイントは、一言でいうと「肩の筋力を衰えさせないこと」と「肩に大きな負荷をかけないこと」です。
しかし、「肩に大きな負荷をかけないこと」に関しては、職業などの関係上取り組むのが難しい場合もあります。
そこで今回は、「肩の筋力を衰えさせないこと」について、詳しくご紹介していきます。
定期的なストレッチ
定期的に肩のストレッチを行うことは、四十肩や五十肩の予防として効果的です。
おすすめはラジオ体操。
全身を適度にストレッチできて気分もリフレッシュできるラジオ体操は、無理なく行えるストレッチとして四十肩や五十肩の予防にもつながります。
接骨院や整骨院、整体などに通って肩のケア
接骨院や整骨院、整体といった施設では、打撲や骨折などのケガの施術以外にも、予防としてさまざまなケアを行っているところがあります。
手技や電気、超音波、筋膜リリースなどで肩の動きを正常に導くためのケアが行われます。
四十肩や五十肩の対処法
もし、四十肩や五十肩が起きてしまったときはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、四十肩や五十肩の対処法をご紹介します。
炎症期
ある日突然激痛に見舞われる四十肩や五十肩の症状の中でも、特に痛みが強い時期が炎症期です。
炎症期はできるだけ安静にして、それでも痛みが酷い時には接骨院や整骨院、鍼灸院や整形外科へ行きましょう。
無理に肩を動かそうとすると、炎症が長引いてしまう恐れがあるので、無理に動かしたりもみほぐさない方が良いでしょう。
凍結期
痛みはいったん治まるものの肩を動かせる範囲が狭まり、無理に動かそうとすると痛くなる状態です。
まるで凍結したように肩が動かなくなることから凍結期という名前が付けられました。
凍結期では、肩を動かしたときの痛みのせいで動かす回数が少なくなり、周囲の筋肉や筋膜が癒着してさらに可動範囲が狭くなって、よけいに動かす回数が減っていくという悪循環に陥りやすいです。
接骨院や整骨院、鍼灸院、整形外科では、運動療法や鍼、筋膜リリースなどの施術を行い、痛みが出ない範囲で元の動きを取り戻せるようにしていきます。
回復期
痛みを感じる頻度が減り、痛みの強さも収まってくるころです。
積極的に肩を動かしたり、筋膜リリースで肩周辺の動きを滑らかにするなど、四十肩や五十肩の発症で失ってしまった肩の機能を取り戻していきます。
四十肩や五十肩では、「凍結期」と「回復期」の過ごし方で元の状態に戻せるまでの早さが変わるといわれています。
接骨院や整骨院、鍼灸院、整形外科など、専門家のアドバイスを受けながら、迅速で適切な対処を心がけましょう。
いかがでしたか?
今回は四十肩や五十肩の予防や対処法についてご紹介しました。
昨今は若い世代でも起こりうる四十肩や五十肩。
発症してしまうと完治までの間、日常生活や仕事に支障をきたすことも多いです。
ぜひ、この記事を参考に適切な予防や対処を行い、四十肩や五十肩に悩まされることのない生活を手に入れましょう。