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首や肩、背中、腰などが痛くて病院に行った際、CTやMRIで検査したことがある人はいませんか？
痛みの原因が特定できてすぐさま治療に移れた人も多いとは思いますが、なかにはCTやMRIの検査では「異常なし」と診断されたケースもあると聞きます。
近年まで、こうした痛みに関しては原因不明とされていましたが、最近になって痛みの原因のひとつに「筋膜」が関係している可能性が出てきました。

筋膜といえば、一時期大ブームにもなった「筋膜リリース」とも関係があります。
今回は、これまで特定できなかった首や肩、背中、腰などの痛みの原因と、筋膜の関係についてご紹介します。

最近になって、「これまで特定できなかった痛みは筋膜性疼痛症候群の可能性がある」と注目されつつあります。
筋膜性疼痛症候群では、首や肩、ひざ、背中、腰などに「焼けるような痛み」や「うずくような痛み」が生じ、時には「立つ・座る・歩く」といった日常生活さえ困難になることがあります。
それらの症状を何とかしたくて病院で検査をしても、筋膜性疼痛症候群の場合はCTやMRIなどの検査では問題が確認されず「異常なし」と診断されてしまったり、他の病気や症状と間違って診断されてしまうケースがあります。

筋膜性疼痛症候群に関することで、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領が主治医から「椎間板ヘルニア」と診断され、長期に渡る治療もむなしく腰痛に悩まされていたが、のちに筋膜性疼痛症候群の治療をしたところ、症状が大幅に改善したという有名なエピソードがあります。

筋膜性疼痛症候群は同じ姿勢で長期間過ごしたり、ゆがんだままの姿勢で生活したり、力仕事やスポーツなどで筋肉を急激に伸縮させることが基本的な原因とされており、だれにでも起こり得る症状です。

CTやMRI等の検査では見つからない筋膜性疼痛症候群が注目を浴び始めたのは、「エコー（超音波）検査」の進歩が大きな理由です。
CTやMRIといった検査方法は基本的に「骨」や「靭帯」「筋肉」を詳しく診るもので、「筋膜」に注目できる検査方法ではないため、筋膜性疼痛症候群が発見されることはまれでした。
そんな中エコー検査の技術が進歩したおかげで、筋膜の状態が確認できるようになり、筋膜が癒着してぶ厚くなって周辺を圧迫しているのがわかったことで、痛みの原因のひとつとして「筋膜」も注目されるようになったのです。

ちなみに「ぎっくり腰」と呼ばれる症状も、筋膜の癒着や損傷によるものが原因のひとつだといわれています。

現在では、こうした筋膜性疼痛症候群に対して「筋膜リリース」での処置が行われています。
病院で筋膜が癒着している箇所に生理用食塩水を注入する方法や、手技によるもみほぐし、鍼を使った方法やメディセル筋膜療法による吸引など、症状や体質によってさまざまな方法が取られています。

では、実際に首や肩、ひざ、背中、腰などに痛みが出た場合、どこに相談すればよいでしょうか。

身体が痛むときに相談する場所としては、「整形外科」がある病院がおすすめです。
整形外科では、上述したCT、MRI、エコー検査と専門的な「診断」をしてもらえます。

また近年では、「痛み」への診療を専門にした「ペインクリニック」を設けている病院もあるので、そちらを受診しても良いでしょう。

総合病院であれば、受付で症状を伝えることで適切な科へと案内してもらえます。
ただし、医師の勤務スケジュールや混み具合によっては対応してもらえない日もあるので、スケジュールの確認もかねて予約をしてから受診することをおすすめします。

そのほか、接骨院や整骨院、鍼灸院のなかにはエコー検査機器を備えている院もあるので、近くに整形外科やペインクリニックがない場合や、病院に行くのはちょっと苦手だという方は、こちらに相談してみても良いでしょう。
接骨院や整骨院、鍼灸院の場合も、事前に予約をしたり電話で相談しておくと、スムーズに施術を受けることができます。

いかがでしたか？
今回は、最近まで原因が特定できなかった痛みが、筋膜によって引き起こされている可能性があることと、その対処方法についてご紹介しました。
もしもCTやMRIなどので検査しても原因が特定できず、今後も痛みと向き合わなければいけないのかと悩んだ経験があるなら、ぜひ最寄りの病院や接骨院、整骨院、鍼灸院に改めて相談してみて下さい。
原因を特定して、筋膜リリースによる痛みへのアプローチによって、これまで諦めるしかなかった悩みも対処できるかもしれません。