肥満って、どんな状態のこと?正しく知っていますか?
肥満は単に「からだが太っていること」ではありません
肥満とは「脂肪」の割合が多すぎること
通常、肥満とは体が太っているという意味で使われますが、医学的に「肥満」という言葉を使うときには、「脂肪が一定以上に多くなった状態」をいいます。
人の身体のほとんどは「水分」で、筋肉に多い「糖質」と「タンパク質」、骨に多い「ミネラル」、そして「脂肪」で構成されています。
肥満はこの場合の「脂肪」の割合が多すぎることです。
体重が重くても、例えば格闘家やハンマー投げなどのスポーツ選手の場合は筋肉や骨の割合が多く、脂肪も少ないため、肥満の定義には入りません。
極端にいうと、もし体重が100kgあったとしても、体脂肪が少ないのであれば、肥満ではないのです。
皮下脂肪型
肥満度を表す指標「BMI」
現在、肥満は「BMI」という数値で判定されます。
日本肥満学会が決めた判断基準では、統計的に最も病気にかかりにくい数値「BMI 22」を標準として、肥満度を4段階に分けています。
BMI計算式
BMIの計算式は次の通りです。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI値と肥満度
BMIの値が25以上を「肥満」と定義し、さらに肥満度を4段階に分けています。
肥満の種類
内臓脂肪型肥満
肥満の中には、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」があり、それぞれ体内の状態や原因、対策は異なります。
内臓脂肪型肥満はお腹周りに脂肪がたまっている状態で、中年男性に多くみられ、「中年太り」などと言われる体型の方に多くみられます。
肥満から誘発される病気として代表的なものは、高血圧、糖尿病などが挙げられます。
健康診断で、血圧や血中コレステロール、血糖値などに「異常なし」と結果が出たとしても、日々の食生活や運動不足など気を付けましょう。
普段の生活改善
皮下脂肪型肥満
皮下脂肪は、男性にはつきにくく、女性につきやすい脂肪です。皮下脂肪は、妊娠・出産時の体力維持にも活躍し、主に下半身に多く蓄積します。
内臓脂肪型肥満か皮下脂肪型肥満によって、肥満の対処法も全く違ってきます。
内臓脂肪型肥満の場合は、食事療法や栄養補給、運動など、普段の生活改善で比較的対策がしやすいのですが、皮下脂肪型肥満は、食事療法などだけでは痩せにくいタイプの肥満です。
皮下に脂肪をためやすくしている主な要因がセルライトです。
皮下脂肪がセルライトとなり、一度できてしまうとなかなか無くならないというやっかいなものです。
セルライトができるのを予防し、できてしまったセルライトは、適度な運動やマッサージを行い、体内のリンパ液の循環を促し、脂肪が詰まった状態を綺麗に戻すことが大切です。
どちらのタイプの肥満にも言えることですが、食生活に気を付けて、体質の改善を図っていくことが、肥満を改善するための第一歩になるでしょう。