からだの悩み

足の裏やかかとが痛い!それって足底筋膜炎かも?

突然、足の裏やかかとが痛くなったことはありませんか?
特に足首をひねったわけでも、どこかにぶつけたわけでもないのに、足の裏やかかとが痛くなる場合、それは「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」かもしれません。

足底筋膜炎という名前を聞いたことのない人も多いかもしれませんが、実は意外と身近な存在であり、誰もが足底筋膜炎を発症する可能性を持っています。

そこで今回は、足底筋膜炎とはどういうものなのか、足底筋膜炎にならないために日頃からどんなことに気を付ければよいのかについてご紹介します。

足の裏やかかとが痛い!それって足底筋膜炎かも?

足底筋膜炎って何?

人間の足の裏には、足底筋膜という筋膜があります。
足底筋膜は足の指の付け根からかかとの骨まで伸びている筋膜です。

かなり強靭な組織で、足の甲側の骨がアーチ状になるのを引っ張って支える役割や、地面からの衝撃を吸収するクッションのような役割を持っています。
弓矢の弓の、弦をイメージすると分かりやすいでしょうか。
(下図イメージ)

 

 

この足底筋膜が、何らかの原因で炎症を起こすのが足底筋膜炎です。

足底筋膜炎はなぜ起きるの?

足底筋膜炎が起きる原因は、足底筋膜への大きな負荷だと言われており、長時間立ち仕事をしたり、ジャンプやステップなどを繰り返したりすることで、足底筋膜には大きな負荷がかかっていきます。

特に、スポーツなどでジャンプやステップを繰り返す人は、着地をしたときの衝撃と、次の一歩のために地面を蹴り出すときの力が足底筋膜に加わることから、他の人に比べて足底筋膜炎になりやすいと言われています。

また、足底筋膜にトラブルが起きて機能低下することで、衝撃を吸収する力が弱まって、普通に歩いたり走ったりするときの衝撃でも大きな負荷が足底筋膜に伝わり、足底筋膜炎へとつながっていくと言われています。

足底筋膜の機能が低下する原因としては、靴が合っていない、加齢、肥満、偏平足などが挙げられます。

足底筋膜炎の症状

足底筋膜炎の症状として代表的なのは、かかとや土踏まずの部分の痛みです。
足を地面についた瞬間に激痛が走るほか、ひどい状態だと、安静にしていても強い痛みに悩まされることになります。

特徴的なのは、朝起きてはじめの一歩目を踏み出すときに痛くなることと、歩いていると、しだいに痛みがなくなっていく傾向があることです。

長時間立ち続けたときや、歩き出すとき、走り出すときに、かかと側の足底筋膜の付け根が痛みを感じる場合は、足底筋膜炎が起きているかもしれないと疑った方が良いでしょう。

足底筋膜炎だと思ったらどう対処する?

足の裏やかかとが痛くなり、足底筋膜炎ではないかと感じたら、どのように対処すれば良いでしょうか。

あまりに痛みがひどいときは「PRICE処置」を

身動きが取れなくなるほどの痛みがあるときは、「PRICE処置」と呼ばれる応急処置を行いましょう。

PRICE処置とは、「P:Protection(保護)」「R:Rest(安静)」「I:Ice(冷却)」「C:Compression(圧迫)」「E:Elevation(挙上)」の5つの処置をまとめたもので、ケガや強い炎症を素早く鎮めるための方法として、スポーツの現場などで幅広く活用されています。

できるだけ動かさず、氷を包んだタオルなどで足を冷やして、痛みが鎮まるのを待ちましょう。
そして、痛みが鎮まってきたところで医療機関に行きましょう。

PRICE処置そのものについての詳しい情報は、過去の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。

【関連記事:応急処置最前線!ケガに対する「PRICE処置」とは】

医療機関に行こう

身動きが取れる状態なら、できるだけ早く医療機関に行き、診断してもらった上で適切な処置を受けましょう。

医療機関では診断結果に合わせて、さまざまな治療が行われます。

軽度のものに対しては、「湿布薬・内服薬の処方」「テーピングによる足首の固定」「インソールを作成して自分に合った靴を用意する」などの方法をとるのが一般的です。

重度のものや、すぐにでも痛みを取り除きたい場合には、さらに専門的な設備や機材を使った治療を受けるのも選択肢の一つです(ただし、こうした治療は保険適用外=高額のものも多いので、十分に下調べをして、今の自分に必要なものかどうかを判断すると良いでしょう)。

痛みや違和感のひどくないうちに適切な対処ができれば、症状が長引く可能性を減らせるので、足首に常に違和感がある、歩き始めたときの一歩目が痛いなどの症状が見られる場合は、早いタイミングで医療機関に向かうことが重要です。

リハビリも大切

足底筋膜炎に限らず、どんなケガや病気にも言えることではありますが、痛みがある程度鎮まったからといっても、そこで終わりではありません。
安静にしていたことで低下した足の機能を取り戻すために、医師の判断に従いながら、少しずつリハビリを行いましょう。

足底筋膜炎にならないために気を付けるべきこと

足底筋膜炎は、誰でも起こる可能性のある症状ですが、日々の過ごし方を見直し、足底筋膜炎の起きるリスクを最小限に抑えられるよう取り組むことも大切です。
どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

足底筋膜にかかる負荷を最小限に

「立つ」「歩く」「走る」といった動きは、足首に少なからず負荷のかかる動きです。
しかし人が生活する上で、立ったり歩いたりせずに過ごすのは至難の業です。
そこで、足首や足の裏にかかる負荷を最小限に抑えられるようにして、足底筋膜炎を起こさない過ごし方を目指しましょう。

普段から足に身につけるもので、足底筋膜にも関係するのが靴です。
靴のサイズが合っていなかったり、底が硬い靴を履いていると、その分足の裏に余計な力が加わったり、着地時に強い衝撃を受けたりして、足底筋膜にかかる負荷が大きくなります。

そこで、靴のサイズを調整したり、靴底のクッション性が高い靴に履き替えたり、インソール(中敷き)を差し込んだりすることで、足底筋膜への負荷が少ない靴を使えるようにしましょう。

足底筋膜をほぐして万全な状態に

お伝えしたように、足底筋膜の機能が低下していると、少し歩くだけでも大きな負荷になります。
そのため、足底筋膜を万全な状態にして、普段から余計な負荷を受けずにすむように取り組むことが大切です。

足首を軽く回したり、足を前後に広げてアキレス腱を伸ばすストレッチ(小・中学校の運動会などでやったことがあるかもしれません)をしたり、足の下でテニスボールやゴルフボールを転がして足底筋膜の筋膜リリースをしたりといった方法が挙げられます。

足底筋膜のケアについては過去の記事でもご紹介していますので、そちらもぜひ!

足裏のトラブル予防はどうする?

おわりに

今回は、あまり知られていない、しかし意外と身近に存在する足底筋膜炎についてご紹介しました。

足底筋膜炎は放置していると、歩けなくなるほどの痛みを発することもあります。
早めに医療機関で治療してもらい、再発しないように心がけましょう。

また、足底筋膜炎にならずにすむように、日頃から足首や足の裏をしっかりケアして、足底筋膜を万全な状態に整えましょう。

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