セルフボディケア

筋膜リリースとフェイシャルケア

近年、エステサロンなどでも筋膜リリースが取り上げられはじめ、フェイシャルケアの中に筋膜リリースが使われることも増えてきています。
しかし、筋膜リリースというと「筋膜はがし」だの「ひっぺがし」だのと、やたら物騒な情報が出てくることもあり、不安に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「フェイシャルケアのための筋膜リリース」がどんなものかについてご紹介します。

筋膜リリースとフェイシャルケア

筋膜って何?

そもそも、筋膜ってどういうものなのでしょうか?
筋膜は、筋肉や骨、内臓といった、全身のさまざまな組織を包んでいる膜のことです。
素となっている主な成分は「コラーゲン」と「エラスチン」。

コラーゲンは繊維状のたんぱく質の一種で、美肌をうたう商品で取り上げられることも多い成分として有名です。
人間の体の中には29種類のコラーゲンがあり、その内のひとつが筋膜にあります。
筋膜に含まれているコラーゲンは弾力性が強く頑丈で、筋線維がほどけてバラバラになってしまわないようにまとめたり、全身を包み込むことで体を支えたりしています。

一方のエラスチンはあまり聞き覚えがないかもしれません。
隣り合っているコラーゲンの繊維同士をつなぎとめる役割を持っていて、筋膜が伸びきって形が崩れないようにしています。

これらの成分が折り重なることで筋膜は自由自在に伸縮しながらも、全身を支えることができるようになっています。

癒着について

筋膜は通常、自在に伸縮して筋肉のスムーズな動きをサポートしています。
しかし、運動不足で体を動かさない日が続いたり、猫背のような無理のある姿勢を続けたりすると、だんだんと潤いを失っていき、カサブタのように硬くなります。
この状態を「筋膜の癒着」と言います。

癒着した筋膜のイメージは「ギュッと絞ったスポンジ」。
絞っていない状態のスポンジは柔らかく、水分もよく染み込みますが、ギュッと絞った状態では硬くなって水分もうまく染み込みませんよね。
それと同じことが筋膜でも起こります。

癒着した筋膜は普段よりも硬くなって、水分や栄養分がうまく染み込まなくなります。
また、カサブタのように硬くなるせいで周りの筋肉や血管、神経などを圧迫し、筋肉の機能低下や血行不良、痛みや違和感といった不調を引き起こす原因になります。

顔の筋膜も癒着する?

顔の周りの筋肉にも筋膜はあるので、場合によっては癒着することがあります。
そのため、会話の数が少なかったりまばたきの回数が少なかったりすると、筋肉を動かす回数が少なくなり、筋膜が癒着しやすくなります。

顔の筋膜が癒着したら

顔の筋膜が癒着すると、筋肉に十分な水分や栄養分が行き届かなくなり、顔の筋力が低下します。
その結果、口角がだんだんと垂れ下がったり、表情にハリが無くなったり、シワが深くなりやすくなったりします。

このケースでは、根本的な原因である筋膜の癒着をどうにかしない限り、どれだけ化粧水や乳液などで肌の調子を整えようとしても、化粧による肌への負担が減らず、肌トラブルにつながりやすくなります。
また、そもそも化粧ノリが悪い状態なので、思うような化粧ができないことも考えられます。

そこで、顔に筋膜リリースを施して、癒着した筋膜をほぐしてあげることで、肌のトラブルに対処しましょう。

顔の筋膜リリースってどんなことをするの?

顔への筋膜リリースは、「揉みほぐす」「引き伸ばす」「吸ってほぐす」という3種類の方法に分けられます。

揉みほぐす

癒着している部分を揉みほぐして、筋膜の癒着を取り除きながら、周りの筋肉をマッサージし、低下していた筋肉の機能や滞っていた血行にアプローチします。
素手で行ったり、ローラーやプレートなどの筋膜リリース用のアイテムを使ったりして、癒着部位を揉みほぐしていきます。

フェイシャルエステサロンや小顔矯正を行っている接骨院などで施術を受けることができるほか、最近では顔の筋膜リリースに使える商品もいくつか市販されていて、自分で行うこともできるようになってます。

顔をもみほぐす商品として一番有名なのは「小顔ローラー」でしょう。
肌の上をコロコロと転がすことで、手軽に揉みほぐすことができます。

引き伸ばす

「表情筋トレーニング」などに代表される、顔の筋肉を動かす方法でも筋膜リリースができます。
癒着した筋膜の近くにある筋肉を積極的に動かすことで、筋肉と一緒に筋膜が動いてほぐれていきます。

基本的に、普段の生活の中で定期的にトレーニングすることになるので、インターネットで情報を集めたり、上述したサロンや接骨院などで自分に合った正しい方法を教えてもらったりして自分で行います。

吸ってほぐす

これまでご紹介してきた中で一番イメージしにくい方法かもしれません。
吸ってほぐす方法では、吸引の力で体の表面にある組織を吸い上げて、筋肉や筋膜から「引きはがす」ことで、癒着した筋膜をリリースしていきます。

「カッピング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
肌の上に吸引用のカップを置いて、体の表面にある皮膚を吸引することで、カップを置いたところの血行の促進や、筋膜の癒着を取り除いていきます。
カッピングは背中や肩に行われるのが一般的ですが、フェイシャル向けに行われることもあります。

その他、皮膚の吸引とローラーによる揉みほぐしを合体させた筋膜リリース専用機器「メディセル」も、顔への筋膜リリースに使われます。

※自己流は危険?

顔の筋膜リリースにはさまざまな方法がありますが、「顔」というデリケートな部分を触るので、独学でやみくもに筋膜リリースをするのではなく、正しい手順を学んだうえでストレッチしたり、フェイシャルエステサロンや接骨院などの専門的な施設で施術を受けることをおすすめします。


今回は、顔の筋膜リリースについてご紹介しました。
顔の筋膜が癒着すると、肌からハリが無くなっていき、化粧ノリも悪くなっていきます。
それらのトラブルに対処するため、顔に筋膜リリースを行うことも増えてきています。
美しい顔を手に入れるためだけでなく、顔の筋肉の機能低下や血行不良などの不調に対処していきましょう。

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