シンスプリントとは
シンスプリントとはスポーツ障害のひとつです。
スポーツ障害とは、スポーツで身体を酷使したときに起こる不調のことです。
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シンスプリントは別名「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」とも呼ばれており、膝の下にある脛骨と筋肉のあいだの骨膜で起きる炎症です。
脛骨の下1/3あたりで、うずくような鈍痛があらわれるのが特徴です。
一般的に、筋肉のオーバーユース(使いすぎ)が原因と言われており、ジャンプやダッシュを頻繁に行うスポーツで多くみられます。
また、近年ではスポーツ選手だけでなく、チアダンスやエアロビクスを行う人の間でも起きることがあります。
シンスプリントの原因は
シンスプリントは硬い地面でランニングを続けたり、しっかりとストレッチせずに激しい動きをしたり、足に合っていないシューズでプレイしたりすると起きやすい症状です。
また、足裏の衝撃吸収機能が低下する偏平足や、脚の筋肉に負荷がかかりやすいO脚の人にも、シンスプリントは起きやすいです。
シンスプリントに対処する
シンスプリントは、スポーツを始めたばかりの人に特に起きやすい症状で、はじめは痛みも強くないため、大したことはないだろうと放置し、いつの間にか悪化していることも多いです。
症状が悪化すると、ときには歩くこともできなくなり、プレイも中止しなければならなくなります。
そのため、シンスプリントが起きたと気付いたら、できるだけ早めに対処することが大切です。
アイシング
シンスプリントは炎症のひとつなので、アイシングである程度痛みをやわらげることができます。
プレイ中に強い痛みにおそわれたときには、なるべく早くアイシングを行いましょう。
また、シンスプリントのときに練習を続ける場合は、練習後にアイシングをしっかりと行い、炎症をケアしましょう。
練習量の調整
シンスプリントの症状を抑えるために、普段の練習でも足への負担を減らす工夫をすることが大切です。
痛みが強いときには練習自体を控え、痛みがおさまってきたころからプールなどで足への負担が少ない練習を始めましょう。
そして、痛みが無くなってから、少しずつ通常時のメニューに切り替えていきましょう。
ただし、通常時のメニューに切り替えた後も、練習量を急激に増やさないように注意しなければいけません。
テーピング
通常のメニューに切り替えた後の練習では、テーピングをおすすめします。
テーピングは、巻いた部位の動きを制限することで、ケガを防いだり正しい動きを補助したりします。
テーピングは自分で巻くことが難しいため、チームのトレーナーに巻いてもらうか、簡単に装着可能なサポーターの使用を検討しても良いでしょう。
筋膜リリース
最近では、スポーツ障害が起きたときには、痛みで動けないほどの状態を除くと、患部に影響が出ない程度に少しずつ練習しておいた方が、元のパフォーマンスを取り戻しやすく、再発の恐れも少なくなると言われています。
そして、運動の再開を手助けするものに筋膜リリースがあります。
筋膜リリースについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も見てみてはいかがでしょうか。
筋膜リリースとは、筋膜の癒着を取り除いて体の不調にアプローチする運動や施術の総称です。
シンスプリントが起きて患部を動かさずにいると、長時間動かされなかったところの筋膜がだんだんと癒着していきます。
すると、癒着した部分への血液の流れが滞ったり筋肉が緊張したりして、疲れやすくなります。
筋膜リリースで癒着を取り除き、疲れが溜まらないようにケアを行うことで、練習への復帰につながりやすくします。
シンスプリントを防ぐ
ここまで、シンスプリントが起きた際の対処法をご紹介しました。
ここからは、シンスプリントを起こさないために行っておくべき対策をご紹介します。
ストレッチ
シンスプリントは、脚の筋肉の柔軟性が低い状態で、いきなり激しい動きをすると起きやすくなります。
そこで、事前に入念なストレッチを行い、練習や試合のときには筋肉が十分な柔軟性を持った状態で動けるようにしましょう。
シューズの見直し
足に合っていないシューズや、クッション性の低いシューズを使用しているせいで、シンスプリントが起きることもあります。
その場合は、使用するシューズを見直して、必要であればシューズの交換をしましょう。
インソール
偏平足が原因の場合や、シューズのクッション性が足りない場合には、インソール(中敷き)を使用することをおすすめします。
最近では、スポーツ用のインソールが市販されていたり、スポーツに力を入れている接骨院や整骨院、整体院、パーソナルトレーニングジムなどでオーダーメイドのインソールを作成したりすることもできます。
【関連記事:姿勢の歪みがまる解り!キレイな姿勢になるためにインソールがサポート!】
自己判断は危険
シンスプリントの症状については、できるだけ自分で判断せず、整形外科やペインクリニック、接骨院や整骨院などの専門家のもとで原因を突き止め、適切に対処しましょう。
シンスプリントは初期段階では痛みが少ないため、意外と見落としがちです。
まあ大丈夫だろうと、自己判断で放置していると、いつの間にか症状が悪化したり、疲労骨折につながったりします。
できるだけ早めに、専門家のもとで受診することをおすすめします。
今回の記事が、楽しいスポーツライフの助けになれば幸いです。