からだの悩み

靴だけが原因じゃなかった!外反母趾の真実と対策とは

女性に多い外反母趾。
靴を履くと歩くのもつらいですよね。
よく「外反母趾は靴が合っていないから起きるんだ」と言われますが、実はそれだけが原因ではなく、さまざまな原因で外反母趾が起きることが分かっています。
そこで今回は、外反母趾の原因と対処法、予防法について詳しくご紹介します。

靴だけが原因じゃなかった!外反母趾の真実と対策とは

外反母趾とは

外反母趾とは、親指(母指)が身体の中心から外側に曲がった(外反)状態のことを指す言葉です。
親指の付け根が「く」の字になるのが特徴で、見た目で判断しやすい症状のひとつでしょう。

このとき、親指の第一中足骨(指の付け根にある骨)は、不自然に身体の中心側に出っ張っています。
この出っ張り部分には「バニオン」と呼ばれるタコができ、腫れて痛みを発生させたり、固くなって不快感を発生させたりします。

banion

banion

外反母趾の原因

外反母趾はさまざまな原因によって引き起こされます。
それぞれ見ていきましょう。

 

靴が合っていない

タイトルと矛盾するようですが、外反母趾が起きるのは、やはり自分に合っていない靴を履いているケースがほとんどです。
よく指摘されるのは、足に対して靴のサイズが小さいことです。
小さすぎる靴を履くと、長期間つま先に圧力がかかり続け、次第につま先が靴の形に変形して、最終的に外反母趾になります。

また、女性でヒールの高い靴を履く人も要注意です。
ヒールの高い靴は、つま先立ちの姿勢になるので、普通の靴よりもつま先にかかる圧力が強く、外反母趾のリスクも高いと言えます。

以前、ヒールの高い靴を履く際のポイントについて記事でまとめたので、そちらもぜひご覧ください。

【関連記事:ハイヒールを健康的に履き続けよう】

 

歩き方が悪い

実は、靴が合っていないことの他に、もっと根本的で、深刻な原因があります。
それが、「歩き方に問題がある」ということ。
歩き方に問題があると、たとえ自分に合った靴を履いていたとしても、外反母趾になる可能性があります。

ポイントは「足の指の筋肉を使えているか」です。
人間は通常、歩くときに足の指、特に親指の力で地面を蹴り上げて進みます。
しかし、足をあまり上げずにペタペタと歩く人や、一歩あたりの歩幅が狭い人は、足の指をしっかりと使えていません。
すると、使われない親指の筋肉は衰えていき、「正しい足のかたち」を支えられなくなって、外反母趾を引き起こすと考えられています。

また、靴が合っていないことが歩き方の問題につながるケースもあり、外反母趾の進行を早める恐れがあるとも考えられています。

 

扁平足

扁平足の人も、外反母趾になりやすいとされています。
通常、人間の足の裏は筋肉や足底筋膜に支えられて緩やかなアーチを描いており、骨もそのアーチに沿って配置されています。

しかし、扁平足の人は、筋力の低下や足底筋膜の癒着などが原因で足裏のアーチが無くなっており、支えを失った骨も足裏の方に移動します。
すると、アーチが特に大きかった親指側の骨で、第一中足骨がアーチの長さの分だけ身体の中心側にはみ出て、外反母趾になるのです。

外反母趾の症状

上述したように、外反母趾は足の親指が身体の外側に向く症状ですが、それによってどんな問題が起こるのでしょうか。

 

親指の支える力が減る

外反母趾では、親指がまっすぐになっていないため、体を支える力が減少します。
つまり、転んだり足首を捻ったりしやすくなるのです。
また、うまく走れなくなったり、高い場所のものを取るときにうまく背伸びできなくなったりします。

 

親指の付け根が痛む

はじめにご紹介したバニオンの発生によって、親指の付け根が痛み始めます。
症状が軽い場合は、靴を履くときに軽い痛みを生じる程度ですが、症状が進行すると、靴を履いていなくても強い痛みに襲われるようになり、ときには歩くことさえままならなくなるケースもあります。

外反母趾の対処法

この記事を読んでいる方の中には、すでに外反母趾に悩まされていて、解決策を探しているという方もいるでしょう。
そこでここからは、外反母趾になってしまった際の対処法をご紹介します。

 

テーピング・装具・サポーター・インソール

症状が軽い場合、テーピングや装具で固定したり、後述の「予防」でもご紹介するインソールを靴に敷いたりして、「正しい足のかたち」を身体に思い出させる方法がとられます。

まずは整形外科や接骨院、整骨院などで専門家に相談しましょう。
自分に合ったテープの巻き方やインソールの選び方、リハビリの方法などを聞くことができます。
この方法であれば、自分の生活リズムに合わせて対処できるのでおすすめです。

治療院・施術院を探す

インソールやサポーターはドラッグストアや靴屋などでも購入できますので、整形外科や接骨院、整骨院に行くのは敷居が高いと感じる人は、市販のインソールやサポーターを購入しても良いでしょう。

 

手術

症状が重い場合、整形外科などの医療機関で、手術が必要になるケースがあります。
症状や体格によって、どのような手術が行われるかは変わりますので、まずは最寄りの整形外科やペインクリニックで診断を受けましょう。

 

筋膜リリース

筋膜リリースとは、全身を包んでいる筋膜という組織をほぐすことで、筋膜の癒着によるさまざまな症状に対処する施術です。
外反母趾では、足の裏にある「足底筋膜」の癒着が扁平足や外反母趾につながっていると考えられる場合に、筋膜リリースで足底筋膜の癒着を取り除いて、これらの症状への対処を行うことがあります。

【関連記事:足の裏にある「足底筋膜」をしっかりケアしよう】

外反母趾を予防しよう

外反母趾にならなくて済む方法はないのでしょうか。
100%ではありませんが、外反母趾を防ぐための予防法がいくつかありますので、ご紹介します。

 

靴選び

実は、「外反母趾になりやすい靴」には、いくつかの特徴があります。
普段使用する靴にその特徴があると、一気に外反母趾のリスクが高まるので、靴選びは重要です。

外反母趾になりやすい靴の特徴としては、

・サイズが小さい
・ポインテッドトゥのように、つま先が狭くなっている
・ヒールが高くつま先への負担が大きい

の3つに気を付けると良いでしょう。

 

インソール(中敷き)

自分に合った靴が見つからない、または、自分に合っていないのは分かっているけれど、どうしても使いたい靴があるという場合は、インソールを使ってみましょう。
インソールによってつま先への圧力が分散し、外反母趾になりやすい状態を軽減します。

 

トレーニング

外反母趾の原因のひとつである、「足の指がうまく使えていない」問題について、トレーニングで足の指をしっかり使えるようにして、外反母趾の予防を目指します。

今回は、自宅で簡単にできる「タオルギャザー」という方法をご紹介します。
一言で説明すると、「足の指の力だけで、タオルを引き寄せるトレーニング」です。

① 椅子に座り、床にタオルを広げます。
② タオルの一番手前が、指の下に来るように片足を乗せます。
③ 指を曲げてタオルをつかみ、少し持ち上げて離します。
④ タオルが少し手前に引き寄せられるので、タオルがすべて引き寄せられるまで③を繰り返します。

もちろん、しっかりと予防したいのであれば、整形外科や接骨院、整骨院などで専門家に相談することをおすすめします。
症状の重さや体格など、それぞれの状況にあったトレーニング方法を指導してくれたり、必要であれば治療や施術を受けることもできます。

治療院・施術院を探す

いかがでしたか。
今回は、外反母趾に関するさまざまな情報をご紹介しました。
外反母趾は、子どもから大人まで、さまざまな人に起こりうる症状です。
しっかりと予防して、痛みに悩まされることのない生活を送れるようにしましょう。

整骨院は、ねんざなどの
ケガをしたときに行くところだと思っていませんか?

スポーツのコンディショニング調整をしたり、正しい姿勢をつくったり、あなたオリジナルのインソールを作ってくれる整骨院もありますよ。

PAGEのTOPに戻る