からだの悩み

通称「ロコモ」 ロコモティブシンドロームとは

通称「ロコモ」 ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム…通称「ロコモ」という言葉を聞いたことはありますか?
なんとなく耳にしたことがあるけれど、ロコモティブシンドロームが何なのか、あまり知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、ロコモティブシンドロームとはいったい何なのか、どんなリスクがあり、どんな対策があるのかをご紹介します。

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドロームは、日本語に訳すと「運動器症候群」と言います。
「運動器」とは、筋肉や骨、関節など、「人間が運動するときに機能する組織」を総称した言葉です。
ロコモティブシンドロームでは、これらの組織に不調や不具合が発生し、日常生活に必要な「立つ」「歩く」などの動作が困難になったり、ケガのリスクが増加したりします。

具体的には、肩や膝、肘の関節可動域が狭くなって、腕や足の曲げ伸ばしがうまくできなくなったり、下半身を支える筋肉の機能が低下することによって転倒しやすくなったりします。
また、骨粗しょう症などを併発して骨が脆くなり、転んだ際に足を骨折するケースもあります。
そして最終的には「寝たきり」の状態につながる可能性もあるのです。

ロコモティブシンドロームの原因は?

ロコモティブシンドロームは、大きく2つの原因で起きるとされています。
それぞれ見ていきましょう。

 

加齢

ロコモティブシンドロームの1つ目の原因は加齢です。
人の筋肉や骨は、生まれてから年齢を重ねるとともに発達していき、ある時期を境にその量や機能が落ち始めます。
例えば、人間の骨の量は、男女ともに平均すると30歳前後で最大となり、以降は加齢とともに減っていくとされています。
※体質や生活習慣、遺伝などによって個人差はあります。

筋肉量もだいたい20~30代でピークを迎え、それ以降は適度な運動をしていかないと、加齢によって筋肉量が減っていくと考えられています。
筋肉や骨の量が減れば、当然筋肉や骨の機能も落ちていきます。
そこからロコモティブシンドロームへとつながっていくのです。

 

病気やケガ

ロコモティブシンドロームの2つ目の原因は、筋肉や骨、関節で起こった病気やケガです。
特に、下半身が病気やケガにみまわれた場合、立ったり歩いたりするだけで痛みや不快感に悩まされることになります。
そうした痛みや不快感を覚えることで、歩く回数や距離が減るので、使われない部位の筋力が衰えていき、だんだんと日常生活にも支障を及ぼすようになるのです。
また、腰の周辺で病気が起きると、ベッドから起き上がることさえも苦痛に感じ、寝たきりになってしまうこともあります。

病気やケガ自体が筋肉や骨、関節の機能に悪影響を及ぼすことも少なくありません。

…お気付きの方もいるかもしれませんが、ロコモティブシンドロームの症状が発生することによって、新たなケガや病気につながり、ますます身体を動かさなくなって、ロコモティブシンドロームが悪化するという負のスパイラルを起こすこともあります。

ロコモティブシンドロームの予防法は?

ロコモティブシンドロームが引き起こすリスクや原因についてお伝えしたところで、ここからは、ロコモティブシンドロームの予防法をご紹介していきます。

 

運動

ロコモティブシンドロームの予防法の1つ目は、とにかく身体を動かすことです。
筋肉や骨、関節は、動かさないと機能が徐々に低下していきます。
そのため、意識的に運動して、筋肉や骨、関節の機能を十分に維持できるようにしましょう。

ただし、自分に合った運動をしないと、長続きしないばかりか、ケガをしてしまう可能性もあります。
例えば、それまでほとんど運動していなかった人が、いきなり何十回もスクワットをやり始めたら、膝や腰を痛めてしまうことでしょう。
そのため、まずは室内の散歩など、比較的軽めの運動から始め、徐々に距離を延ばしたり、負荷の強い運動を取り入れていきましょう。

どれくらいの運動が自分にとって丁度良いのかわからないときは、近くの整骨院や接骨院、整体院、パーソナルトレーニングジムなどで専門家に相談すると良いでしょう。
適切な運動法の指導や姿勢の矯正、指圧や筋膜リリースといった施術など、それぞれに必要な対応をしてもらえます。

 

食生活の改善

食生活の改善もロコモティブシンドロームの予防法として有効です。

例えば骨の強化。
骨はカルシウムやリン、ビタミンDなどで出来ています。
人間は、これらの成分を食べ物から摂取することによって、体内で骨を生成しています。
そのため、食生活が乱れていると、栄養不足で骨が作られずに骨粗しょう症になったり、栄養過多で肥満になって骨や関節に大きな負担がかかるようになり、立ったり歩いたりしたときに痛みを引き起こすことにつながります。

その結果、動く機会が減り、ロコモティブシンドロームになると考えられています。
食生活を見直すことで、こうした原因によってロコモティブシンドロームが起きるのを防ぎ、せっかくなのでメタボリックシンドロームも予防しましょう。

ロコモティブシンドロームをチェックしよう

ロコモティブシンドロームは、以下の7つの項目でチェックが可能です。

・片足立ちで靴下を履けるか
・家の中でつまずいたり、滑ったりすることがあるか
・階段を上るのに「手すり」は必要か
・布団の上げ下げや掃除機をかけることは難しいか
・2kg(1リットルの飲み物2本、または500ミリリットルの飲み物4本)を持って歩くことは難しいか
・15分間連続して歩いたときに疲れるか
・横断歩道を渡るときに、赤信号に変わるまでの間に渡り切れるか

これらのチェックの中で、うまくいかないものが1つでもあった場合、ロコモティブシンドロームを発症している可能性や、ロコモティブシンドローム予備軍の可能性があります。

「ロコモ予防」に筋膜リリース

上でも少し触れましたが、ロコモティブシンドロームの予防ではしっかりとした運動が不可欠です。

しかし、病気で長期間寝たきりだったり、ケガで身体を動かすことがなかったり、あるいはデスクワークなどが多く、運動の機会が極端に少ない場合、筋肉や骨、関節の機能が低下するだけでなく、筋膜が癒着して身体の動きを阻害することがあります。
筋膜の癒着によって筋肉の機能が低下したり、関節の可動域が狭くなると、ロコモティブシンドロームが発症しやすくなります。
そのため、筋膜の癒着を取り除く対策をすることが、ロコモティブシンドロームの予防につながります。

筋膜の癒着を取り除く方法としておすすめなのが「筋膜リリース」です。
筋膜リリースは現在、専門のグッズや書籍が豊富にあり、自分の力で行うこともできますが、きちんと行うのであれば、整骨院や接骨院、整体院などで施術を受けましょう。

【関連記事:「筋膜リリース」とは?】

いかがでしたか。
今回はロコモティブシンドロームについてご紹介しました。
加齢とともに進行する筋肉や骨のパフォーマンス低下は、どうしても避けられません。
しかし、それを少しでも軽減できるように、運動や食事などを見直し、筋膜リリースなどの対策を講じていきましょう。

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