整骨院や接骨院などの治療院の世界では、さまざまな手法によって患者さんの悩みに向き合っています。
手技によるものや温熱療法、超音波機器を使用したものなど、症状に合わせてさまざまな施術方法がとられる中で、「筋膜リリース」という選択肢があります。
筋膜リリースの手法にもさまざまなものがありますが、中でも「メディセル筋膜療法」という方法が注目を集めています。
今回は「メディセル筋膜療法」とはどういったものなのかをご紹介していきます。
メディセルとは
メディセルは、株式会社MJカンパニーが「痛みのない世の中をつくりたい」という信念のもと開発、製造、販売している筋膜リリースの機器です。
メディセルは、吸引を行う「ポンプ」と、アプローチする部位を揉みほぐす「ローラー」でできています。
皮膚を直接「吸引」しながら「揉みほぐす」ことで、筋膜の癒着にアプローチしていきます。
吸引の強さは調整できるので、患者さんの体質や患部、症状にあった強さで吸引できるため、安心です。
また、ローラーの大きさにも種類があるので、頭の先からつま先まで、身体のさまざまな場所で起こる筋膜の癒着にアプローチしてくれます。
メディセル筋膜療法とは
メディセル筋膜療法では、その名の通り「メディセル」を使用して筋膜リリースを行います。
一般的な筋膜リリースの方法は、手技療法のように体の表面を揉んだり擦ったりすることで、摩擦を利用して筋膜の癒着をはがす方法です。
また、エコー(超音波診断装置)によって患部を特定し、生理用食塩水などの人体に無害な剥離液を注入して筋膜の癒着を取り除く方法を導入している治療院もあります。
しかし、手技療法は身体に対して押し付ける動きをすることから、マッサージなどで起こる「もみかえし」の恐れがあったり、剥離液の注入では、万が一注射の際にアレルギーがあった場合取り返しがつかない結果につながることがあります。
(これは、どんな名医でも起こりうる事態です)
メディセル筋膜療法の場合は、患部を上から押さえつけるのではなく、ローラーの回転によって揉みほぐしながら外側に吸引するため、安全性が高い手法です。
メディセル筋膜療法でアプローチできる部位
メディセルでは頭の先からつま先まで、多くの場所へアプローチできるとお伝えしましたが、具体的にどのような場所へ施術できるのかをご紹介します。
首の後ろ
現代人にとって、肩こりのみならず、首のこりは非常に悩ましい問題の1つです。
しかし、首の後ろは、一歩間違えば命の危険もある施術が難しい部位でもあります。
そこで、首のこりの原因である筋膜の癒着に対してアプローチするために、メディセルが活躍します。
膝や肘
膝や肘など、スポーツをしている人が痛めやすい部位は、普段動かしている分、不調に陥った場合に、動かすことが著しく減ってしまう部位でもあります。
そうなると、筋膜にも癒着が起こり、以前と同じような動きができなくなるケースがあります。
メディセル筋膜療法では、吸引に特化した専用ヘッドや先端が細くなっているヘッドを使用することで、膝や肘などの関節部分に起こった筋膜の癒着にもアプローチすることができます。
背中
背中は、人体の中でも特に細かな凹凸が少なく、筋膜リリース以外でも多くの施術が行われています。
メディセル筋膜療法も例外ではなく、背中に起こった筋膜の癒着に対して、広範囲でアプローチしていくことができます。
手首・足首から指先
メディセル筋膜リリースの最も特徴的なポイントとして、手技や剥離液の注入といった方法ではアプローチが難しい、非常に細かな手足の末端部分の筋膜の癒着にも簡単に施術することができる点が挙げられます。
末端部分は人の身体の中でつくりが細かいだけでなく、痛覚が集中している部分でもあります。
そのため、筋膜の癒着によって引き起こされる鈍痛にも敏感に反応する傾向があります。
メディセルであれば、優しく的確に筋膜の癒着を狙って施術することで、「痛み」に直接アプローチすることが可能です。
いかがでしたでしょうか。
今回は、筋膜リリースの1つである「メディセル筋膜療法」についてご紹介しました。
痛みの原因が筋膜にある場合、手技や剥離液の注入だけでなく、メディセル筋膜療法という選択肢が登場したことは、非常に喜ばしいことです。
何故なら、とれる選択肢が多ければ多いほど、悩みに対応できる可能性が増えるため、患者さんにとって非常に安心感があるからです。
もちろん、本当に痛みの原因が筋膜にあるかどうかは、「自己判断」ではなく「プロの治療院の先生にきちんと診断してもらう」ことが何よりも重要なことを忘れてはいけません。
正しく痛みの原因を見極め、悩みに向き合ってきいましょう。